中国の国営経済紙は8月3日、オンラインゲームについて「精神的アヘン」などと批判する記事を掲載し、名指しされた企業などの関連株が一時、10%以上急落した。
国営新華社系の経済紙・経済参考報は3日、若者の間でオンラインゲームが流行している現状について、子供たちがゲーム画面に吸い込まれていく挿絵とともに「精神的アヘンが数兆円産業に成長」とする記事を掲載した。
複数の中国メディアによると、記事はオンラインゲームに過度にのめり込む子どもが増え、問題は深刻化していると指摘。近視になる子どもが多くなったり、学業にマイナスの影響が現れたりしているとし、「電子麻薬」などと批判した。「1日8時間も遊んでいる生徒もいる」などと特に“中毒性“の高い例として、IT大手・テンセントの「王者栄耀」を挙げた。
この報道を受けてか、香港株式市場などで関連株は一時急落。ブルームバーグによると、テンセントホールディングスは一時、11%近く下げた。同じくゲーム事業を展開する網易(ネットイース)などにも影響は広がった。
この記事のネット版はすでに削除されたという。経済参考報のサイトでは閲覧できる。削除後、下げ幅は縮小した。
中国政府はこのごろ、IT企業などへの締め付けを強めている。アメリカ・ニューヨーク株式市場に上場した配車最大手「DiDi(滴滴)」は「違法な個人情報収集」を理由に新規ダウンロード禁止とされた。
また、家庭教育の負担軽減などを旗印に、学習塾を非営利組織に強制転換させる方針を発表。教育関連ビジネスは大打撃を受けている。次の批判の矛先がオンラインゲームに向くのではという懸念から、市場が反応したとみられる。
Source: ハフィントンポスト
「精神的アヘン」中国国営紙がオンラインゲームを批判。ゲーム関連株が一時急落後、記事削除