国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員は任期限りで政界を引退すると発表した。「政治家とは別の立場でスタートしたいことがある」とした。
山尾氏は1974年生まれの46歳。小学6年、中学1年のときにミュージカル『アニー』で初代アニー役を演じた。2004年に検察官として任官し、千葉地検や名古屋地検岡崎支部などで勤務したあと、2009年の衆議院議員選挙に当時の民主党から愛知7区で出馬し、初当選した。2020年に立憲民主党を離党し、国民民主党に入党した。
国会では「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログを取り上げ、待機児童問題を追及したことで話題になった。
また、香港問題をきっかけに生まれた超党派議連「JPAC=対中政策に関する国会議員連盟」と、公明党や共産党の議員も加わった「人権侵害を超党派で考える議員連盟」では自民党の中谷元氏とともに共同会長を務めた。人権侵害をきっかけに海外の個人や団体に制裁を科せる、いわゆる「日本版マグニツキー法(人権侵害制裁法)」の成立を目指していた。
2021年4月には、国会議員に支給されるJRのパスを私的な用途に使っていたと報道で指摘され、謝罪していた。
山尾氏は6月17日に公開した文章と動画で、「私には政治家とは別の立場で新しくスタートしたいことがあります。そこで、今回の任期を政治家としての一区切りとしたいと思います」と今期限りでの政界引退を公表。
理由については「政治家一筋というキャリアが標準モデルとなっていることに何度も違和感を覚えました。政治家以外にもやれることがあり、やりたいことがある人こそが、期間限定で政治家をやるようになるといい、そう確信しました」とした。
そして、「永田町に一番必要なのはプレーヤーの交代です。現職がいても毎回予備選をやること。そして議員任期を制限すること。新陳代謝をシステム化するには、この2つで必要十分。そう思って私なりに様々な場面で提案してきましたが、実現まではまだ時間がかかりそうです。ということで、まずは私自身が、この3期10年で区切りをつけようと思います」と述べた。
今後については「しっかりと任期を全うしてから、自分なりの方法でお伝えします」とした。
その上で、今後も変わらない目標として「『自由と民主主義と法の支配』を、この日本に、自分たちの力でしっかり根付かせること」を挙げた。
Source: ハフィントンポスト
山尾志桜里氏、任期限りでの政界引退を発表。「『政治家一筋が標準モデル』に何度も違和感」