レインボーには、憎しみを上回る愛を引き寄せる力がある。
それは、 LGBTQの権利を啓発するプライド月間が始まった6月初めの出来事だった。
アメリカ・テキサス州ラフキンにあるベーカリー「コンフェクションズ」は、「友人であるLGBTQのみなさん、ハッピープライド!クッキーと幸せを愛するすべての人を、私たちは歓迎します」というメッセージを2日、Facebookに投稿した。
プライド月間に、レインボーのコーティングをしたハート形のクッキーを売ると伝えた。
ところが、この投稿に対して、予期していなかったバッシングが起きる。コンフェクションズは翌日、クッキーが大量にキャンセルされたことを明かした。
「今日はとてもつらい1日でした。レインボーのハート型クッキーの写真を投稿した後、私たちは多くのフォロワーを失いました。批判的なメッセージが送られてきて、明日の朝予約が入っていた夏用のクッキーが大量にキャンセルされました」
同店は「自分たちのような経営をやりくりしている小さなお店が、焼き菓子でちょっとした応援して愛を伝えようとしたのに、それに対してこんなバックラッシュが起きるとは思っていなかった、悲しみに沈んでいる」とも述べている。
それでも、「キャンセルされたクッキーが大量に余っているので、よかったらクッキーが好きな人は買いに来て欲しい、明日が今日より良い1日になりますように」と前向きなメッセージを投稿した。
お店の周りにできた行列
今日より良い1日となりますように――その願いは、予想していたよりずっと大きな形で実現することになった。
コンフェクションズはFacebookで、驚くほどたくさんの支援のメッセージが寄せられたと報告。
「投稿やメールで寄せていただいた優しい言葉やサポートに、言葉を失っています。あまりにたくさんなので、全てを読むのにしばらく時間がかかりそうです。読みながら嬉し涙が頬をつたっています。新しくフォロワーになって下さった2500人のみなさん、ありがとうございます!」と感謝を伝えた。
さらに開店すると、お店の周りにできていたのはクッキーを買い求めるために並ぶ人たちの行列だった。
「とても驚いています。これは正午ごろに撮影された写真です。親切なお客さんの一人が送ってくれました。ありがとうございます」
そしてクッキーが閉店前に売り切れたため、コンフェクションズは予定より早くお店を閉めて、翌日に販売するためのクッキーを焼くと伝えた。
素晴らしいお客の皆さんのおかげで、売り切れました!!!!
クッキーを買い求めようとした人たちの中には、弁護士でNBAのチーム「ダラス・マーベリックス」オーナーであるマーク・キューバン氏のきょうだいのブライアン・キューバン氏もいた。
同氏は「落ち着いたら、郵送注文が可能かどうか教えて下さい」「郵送注文できなければ、電話かメールで購入するので、クッキーを地元のLGBTQ団体もしくは子どものチャリティー団体に寄付して欲しい」とコメントしている。
こんなことは初めて
コンフェクションズが準備したクッキーは翌日も完売。
お店の共同経営者のドーンさんは「私たちの小さなお店を支援していただき、本当に身に余る思いです。私を知っている人は、私がとてもシャイな人間だとご存知だと思います。お店を初めて11年、こんなことは初めてです」と感謝をつづっている。
クッキーを買えなかったお客さんの中には、買うものがなかったため「お店に寄付をしたい」と申し出た人たちもいたという。
共同経営者のミランダさんは、そのお金をお客さんの許可を得て動物保護団体に寄付した。
コンフェクションズはFacebookでも、寄付を申し出た人たちに動物保護団体への寄付をお願いしており、これまでに2655ドル(約29万円)以上集まっている。
さらに、コンフェクションズは6日の投稿でレインボーの蝶ネクタイを作っていることを報告。
クッキーを買いたいという人や寄付をしたいと申し出る人がたくさんいたので、父の日からは、動物保護団体だけではなく地元の介護施設や慈善団体にも寄付ができるようにしたい、と伝えた。
Source: ハフィントンポスト
LGBTQを祝福するレインボークッキーを売ったら大量キャンセル→予想外の展開に