中国IT大手・テンセント系列の動画プラットフォームが制作・配信するアイドルオーディション番組で、日本人参加者がデビューを決めた。
番組は90人の候補生が11人のデビュー枠を目指ししのぎを削るリアリティーショー形式で、これまでの再生回数はのべ50億回を超えるなど人気を誇る。日本から参加した候補生はいずれも1600万を超える票を獲得し上位に食い込んだ。
■90人→11人のサバイバル
番組は「創造営2021」。テンセント系列の「テンセントビデオ」が制作・配信するもので、男性90人が歌やダンスなどの腕前を競い、視聴者間の人気投票によって決められる11人のデビュー枠を目指す。
韓国の人気番組で「プデュ」の愛称で親しまれる「PRODUCE 101」と似た形式でもあることから「中国版プデュ」の一つとも呼ばれている。
中国では検索最大手・バイドゥ傘下の動画プラットフォームも同様の番組「青春有你」をヒットさせるなど、アイドルオーディションを題材としたリアリティーショーが人気を集めている。
「創造営2021」は2月スタート。番組として初めて日本からも参加メンバーを募っていた。これまで候補生は3度にわたって人気投票により淘汰されていて、4月24日のデビューメンバーが決まる決勝戦までに90人から25人に絞られていた。
■2〜4位まで連続して日本勢
そして24日の決勝戦では投票の結果が発表され、日本から参加した複数の候補生が中国でのデビューを飾ることとなった。
序列2位でデビューを勝ち取ったのは宇野賛多(うの・さんた)さん。ストリートダンスの世界大会で優勝した経歴を持ち、番組序盤から終始ランキング上位をキープしていた。獲得した票は1661万を超えた。
ステージ上では感極まりながら「今日僕がここに立っていることは、世界中のダンサーに自信を与えることになるはずです」と話した。
宇野さんと同じグループから参加した近田力丸(ちかだ・りきまる)さんも1659万票を獲得し序列3位でデビューする。ダンスの振付師として活動していたことで知られ、番組中でも中国人メンバーから「ダンスの先生」と呼ばれていた。
近田さんは番組で「ファンの『加油(がんばれ)』を聞くたびにプレッシャーがなくなっていきました」と感謝していた。
そのほかにも、日本とアメリカにルーツを持ち、ハワイ出身の橋爪ミカ(はしづめ)さんも1625万票で4位に入った。橋爪さんは日本で「INTERSECTION」というグループでボーカルとして活動していて、歌唱力が高く評価されていた。
メンバーたちはこれから「INTO1(イントゥワン)」という名前のグループとして芸能活動を展開していく。
■政治問題も影?
番組をめぐっては、これまでの配信で、参加者のシャツのロゴやスニーカーがモザイク処理されることがあった。
中国では、少数民族への人権侵害が指摘されている新疆ウイグル自治区産の綿花を使用しないなどとした海外企業を対象に不買運動が起こっていて、番組のファンからは、モザイクがかけられたのも「批判の対象になった海外企業のロゴやスニーカーだったからではないか」と推測されている。
Source: ハフィントンポスト
再生回数50億超。中国の大人気アイドル選抜番組で、日本人がデビュー決定 1600万票以上を獲得