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【アースデーに観たい】気候変動に警鐘を鳴らした映画たちを、環境問題をめぐる歴史と共に振り返ります

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あなたは地球環境の現状に“危機感”を持っているだろうか。

日本でも「異常気象」「最強クラスの台風」など、気候変動の一端だと指摘されている自然災害が増えている。気候危機対策に取り組むべきだ。そう思う一方で、未だ日常を“過ごすことができている”今、地球規模の危機を「どこか遠い話」のように感じてしまう人も少なくないだろう。

そんな私たちに、映画は時に生々しい、時にダイナミックな映像と共に警鐘を鳴らしてきた。そんな映画たちを、環境問題をめぐる歴史的背景も交えながら紹介する。

アカデミー賞を受賞した「警告」

2005年、世界で初めて温室効果ガスの削減目標を定めた「京都議定書(1997年採択)」が発効した。先進国に「温室効果ガスを2008年から2012年の間に、1990年比で約5%削減する」こと、さらに先進国ごとに目標数値が設けられた。アメリカとオーストラリアは不参加を表明した。

『不都合な真実』はその1年後の2006年に公開されたドキュメンタリー映画。第79回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞・アカデミー歌曲賞を受賞した作品だ。

アル・ゴア元米副大統領の地球温暖化に関する講演の映像と、変化する地球の映像や写真を織り交ぜた構成になっている。 

東京の丸善書店で行われた新刊『不都合な真実』のサイン会に出席するアル・ゴア元米国副大統領(2006年1月14日)

公開された15年前当時、地球温暖化を深刻に捉えない人は多かったようだ。映画の中で、アル・ゴア氏は多くのデータを交えながら地球温暖化の危機を伝えているが、石油業界や経済成長を優先する人々から「過激な環境活動家」と言われていた。

しかし彼は映画の終盤、金貨と地球を天秤にかけたイラストを背景に、こう伝えている。

「正しい対策を取れば、経済は発展する」

最近よく聞く持続可能な開発目標「SDGs」にも通ずる考え方だ。15年前のアル・ゴア氏の「警鐘」に対して、現状はどうなっているのか。考えるきっかけになる映画ではないだろうか。

環境問題に熱心に取り組むレオナルド・ディカプリオの目線

2015年は、環境危機に対する大きな動きがあった。9月には「SDGs」が国連加盟国の全会一致で採択され、気候変動への具体的な対策、海や陸などの環境や生物多様性を守ること、エネルギー問題の解決など、様々な視点から目標が設定された。

同年12月には歴史上初めて、世界のすべての国が温室効果ガスの削減を約束した「パリ協定」が国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。

そのパリ協定が発効した翌年2016年に公開されたのが、ドキュメンタリー映画『地球が壊れる前に』。レオナルド・ディカプリオが世界各地を周りながら、気候危機によって変化してしまった自然環境や野生動物の現状など、多岐に渡るテーマに迫る映画だ。 

2016年10月24日にナショナル・ジオグラフィック・チャンネルの「Before The Flood」上映会に出席した俳優のレオナルド・ディカプリオ

アル・ゴア元米副大統領と地球温暖化について話したり、オバマ大統領(当時)とパリ協定について語るシーンなど、歴史的な出来事と絡み合うのも面白い。

ディカプリオ氏がインド科学環境センターの所長から詰められるシーンも印象的だ。「アメリカのライフスタイルを変えるのは難しいが、僕たちが示せる解決策として、再生エネルギーに投資することはできる」と言うディカプリオ氏に、インド科学環境センターの所長は首を振ってこう答えた。「アメリカが化石燃料依存大国から抜け出す姿を見せてから言ってください」。 

2015〜16年には他にも『プラスチック・オーシャン』『ザ・トゥルー・コスト〜ファストファッション 真の代償』など、環境問題に関する様々なドキュメンタリーが発表されている。

フィクション映画の“警告”

ディカプリオ氏が上記映画の中で、「SFのようなことが現実に起こっている」と呟くシーンがある。フィクション映画もまた、気づきを与えてくれたり、環境保全の重要性を世論に訴えたりすることもある。

2004年に公開された『デイ・アフター・トゥモロー』は、地球温暖化が人類に猛威を振るう映画だ。南極で大規模な棚氷のひび割れが起こったのを契機に、大雨や津波、拳大の雹(ひょう)が発生し、各地で大型ハリケーンが人々を襲う。地球の気温は下がり続け、氷河期のような世界が訪れる…そんな世界で主人公の古気候学者が奮闘するストーリーだ。 

イメージ画像

 フィクション映画ならではのダイナミックな異常気象が映し出される本作品は、地球温暖化が人類の脅威であること、そしてそのタイムリミットは遠い未来ではないことを教えてくれる。

また、世界の歴代興収1位を獲得した映画『アバター』シリーズは、環境保全の重要性に気づかせてくれる作品だ。

監督のジェームズ・キャメロン氏が、長年環境問題に取り組んでいるのをご存知だろうか?VOGUEの記事で、『アバター』は海洋環境問題をテーマに掲げている、と話している。

「『アバター』シリーズでは、観る人が自然の脅威と素晴らしさに擬似的に触れる事で、自分もこの自然界の一部なんだと感じてもらうことに一番心を配りました」

環境問題への危機感が高まる2021年に、ぜひ見返して欲しい。

カリフォルニア州パサデナのカリフォルニア工科大学でインタビューを受けるジェームズ・キャメロン監督(2010年4月27日)

アカデミー賞も気候危機に配慮

映画の世界最高峰の祭典「アカデミー賞」も温暖化への配慮をし始めている。2020年のアカデミー賞では、提供される食事は100%ヴィーガンフードが採用されたり、俳優たちのドレスもサステナビリティを意識したものが多く見られたりした。

また、アカデミー賞は受賞者のスピーチも注目だ。世界が注目する授賞式の舞台で、人種やジェンダー差別など社会問題に対して様々な映画人が声を上げている。

4/22(木)夜9時からのハフライブでは、「声をあげる映画界。アカデミー賞とSDGs」をテーマに語り合う。アカデミー賞は2021年をどう映し出すのか。映画監督の深田晃司さん、長年アカデミー賞を取材する藤えりか記者をゲストに迎え、アカデミー賞の新しい見方を考えます。

■ 番組概要:「声をあげる映画界。アカデミー賞とSDGs」
・配信日時:4月22日(木)夜9時~・配信URL: YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Pn_j-eRk5uA

・配信URL: Twitter(ハフポストSDGsアカウントのトップから)
https://twitter.com/i/broadcasts/1dRKZNgpYBQKB

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Source: ハフィントンポスト
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