2020年12月31日に、低温で保管する必要のある新型コロナウイルスワクチンを故意に常温で放置したとして、アメリカ・ウィスコンシン州グラフトンのオーロラ医療センターに務める46歳の薬剤師スティーブン・ブランデンバーグ容疑者が逮捕されました。取り調べを進めていたグラフトン警察はブランデンバーグ容疑者について、「ワクチンが人のDNAを変化させるという陰謀論の信奉者だった」と発表しました。
500回分の新型コロナワクチンを故意に放置して劣化させた薬剤師が逮捕される、警察は「陰謀論の信奉者」と発表
2020年12月31日に、低温で保管する必要のある新型コロナウイルスワクチンを故意に常温で放置したとして、アメリカ・ウィスコンシン州グラフトンのオーロラ医療センターに勤めていた46歳の薬剤師スティーブン・ブランデンバーグ容疑者が逮捕されました。取り調べを進めていたグラフトン警察はブランデンバーグ容疑者について、「ワクチンが人のDNAを変化させるという陰謀論の信奉者だった」と発表しました。
Pharmacist Accused of Tampering With Vaccine Was Conspiracy Theorist, Police Say – The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/01/04/us/pharmacist-accused-of-tampering-with-vaccine-was-conspiracy-theorist-police-say.html
Wisconsin pharmacist Steven Brandenburg who sabotaged Covid vaccine thought it harms people, police say – CNN
https://edition.cnn.com/2021/01/04/us/wisconsin-pharmacist-vaccine-vials-court-hearing/index.html
Pharmacist sabotaged vaccines because he thought they were ‘unsa –
https://www.cbs19news.com/story/43126369/pharmacist-sabotaged-vaccines-because-he-thought-they-were-unsafe-police-say
2020年12月26日に、ウィスコンシン州グラフトンのオーロラ医療センターで、モデルナ製の新型コロナウイルスワクチン570回分が放置されているのが見つかりました。モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンは、標準的な冷蔵庫内と同じ2~8度の温度で保管することが可能ですが、これより高い温度に達すると変性して効力が失われるとされています。
この件で捜査を進めていたグラフトン警察は12月31日に、新型コロナウイルスワクチンを故意に劣化させたとして、当時オーロラ医療センターに勤務していた46歳の薬剤師であるスティーブン・ブランデンバーグ容疑者を逮捕しました。警察によるとブランデンバーグ容疑者は、12月24日と25日に新型コロナウイルスワクチン10回分が封入されている容器57本を冷蔵庫から取り出し、放置していたとのこと。
by Ozaukee County Sheriff’s Office, via Associated Press
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オーロラ医療センターのジェフ・バール所長は12月31日の記者会見で、「26日の時点では、ワクチンは常温で保存できる12時間以上放置されていないと考えられていたため、570回分のうち57回分を接種に使用しました。しかし、事実関係が明らかになったことでワクチンは効果が低下または無効化されてしまったことが分かったため、残りは使用しないこととしました」と発表しました。効果がなくなったワクチンを接種された57人にはすでに連絡が行われているとのことです。
被害を受けたワクチンの価格は1万1000ドル(約113万円)に達すると見られていますが、この件を報じたアメリカのニュース放送局・CBS19Newsは「パンデミックの現状とワクチン供給量が限られている状況を踏まえると、ワクチンは貴重なものであると考えられます」と述べて、新型コロナウイルスワクチンの損失は被害額以上に重大なものだと指摘しました。
また、ブランデンバーグ容疑者の取り調べを進めていたグラフトン警察は2021年1月4日に、「容疑者は、『ワクチンはDNAを書き換える危険なものだ』と考える陰謀論者と認定されている」と発表しました。グラフトン警察の取り調べに対し、ブランデンバーグ容疑者は犯行や陰謀論を信奉していることを認める供述をしているとのことです。なお、専門家は「モデルナやファイザーのRNAワクチンに含まれるmRNAはDNAではないため、人間の遺伝子を変えるおそれは全くない」と述べています。
またニューヨークタイムズ紙によると、ブランデンバーグ容疑者は2人の娘の監護権をめぐり、離婚を申請中の妻であるグレッチェン・ブランデンバーグ氏と争議中とのこと。グレッチェン氏側の弁護士であるブライアン・ヒーロー氏は2020年7月の公聴会で「私の理解では、スティーブン・ブランデンバーグ氏は陰謀論に傾倒しているようです。彼は新型コロナウイルス感染症について独自の理論を持っており、世界の終わりが来ると信じています」と発言しています。
ブランデンバーグ容疑者は目下、「第1級の無謀に安全性を危険にさらした罪」「処方薬の不正使用」「犯罪的な財産の侵害」といった3件の重罪で立件されています。ただし、捜査によりブランデンバーグ容疑者が放置した新型コロナウイルスワクチンの効果が失われていないことが証明されれば、1件の軽犯罪のみに変更される可能性もあります。そのため、グラフトン警察はFBIや医薬品規制当局と共同で調査を進めていく方針だと述べています。
Source: ギガジン
500回分の新型コロナワクチンを故意に放置して劣化させた薬剤師が逮捕される、警察は「陰謀論の信奉者」と発表
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