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電動アシスト自転車、充電式掃除機、スマホ、PC……。これらに搭載されたバッテリーが突然発火する事故が相次いでいます。
原因は、リチウムイオンバッテリーが「非純正」であること。ネットでも簡単に取り寄せることができますが、なかには建物が全焼する火災になったケースもありました。
NITE(製品評価技術基盤機構)が公開した実験映像には、電動アシスト自転車のバッテリーが充電中に「爆発」する様子が映っていました。
【動画】電動自転車のバッテリーが充電中に“爆発”。一度は見てほしい“恐ろしさが伝わる”実験映像がこれだ
建物全焼14件、人的被害13件
NITEの発表資料によると、2014〜23年の10年間に発生した「非純正バッテリー」による事故は計235件。
最も多いのは、「充電式電動工具」(103件)で、「充電式掃除機」(97件)、「スマホ」(12件)、「ノートパソコン」(12件)、「玩具」(4件)、「電動アシスト自転車」(3件)、「その他」(4件)の順となっています。
また、235件の事故のうち、97%にあたる227件が火災でした。
そのうち、建物の全焼につながった火災は14件に上り、バッテリーから噴出した炎でやけどをしたなどの人的被害も13 件発生しています。
事故が発生した際の状況は、「充電中」が182件と最も多く、「保管中」が26件、「使用中」が10件などと続きました。また、事故発生時の非純正バッテリーの使用期間は「1年未満」が125件と半数超を占める結果となりました。
実際に起きた事故は次の通りです。
「兵庫県で2019年4月、ネット通販で購入した電動アシスト自転車用のバッテリー(非純正)を充電していたところ、出火し、床を焼損した。非純正バッテリーの内部で短絡が生じ、異常発熱したものとみられる」
「兵庫県で2023年9月、ネット通販で購入した充電式掃除機用のバッテリー(非純正)を掃除機に取り付けたまま保管していたところ、突然作動するとともに出火した。非純正バッテリーの安全保護装置が異常発熱し、出火したものと考えられる」
非純正では補償を受けられない可能性
また、NITEが公式YouTubeに投稿した実験映像を見ると、火災に発展した際の恐ろしさが伝わってきます。
非純正バッテリーを充電中、突然白い煙と炎が吹き出します。一度おさまりかけましたが、再び爆発を起こしたように炎が勢いよく吹き出し始めました。その様子はまるで「火炎放射器」を噴射したかのように見えます。
【動画】電動自転車のバッテリーが充電中に“爆発”。一度は見てほしい“恐ろしさが伝わる”実験映像がこれだ
バッテリーには可燃性の電解液が含まれているため、一度発火すると大きな火災に発展する恐れがあります。
事故のリスクを減らすには、安全保護装置の適切な設計や品質管理が不可欠ですが、非純正バッテリーは異常発生時に安全保護装置が作動しないこともあります。
なかには、電池内部に異物が混入していたり、電気回路の部品に不良品が使われていたりする製品があるほか、純正バッテリーで事故を起こした場合、機器本体のメーカー側から対応や補償を受けられない可能性があるといいます。
NITEは、「非純正バッテリーは純正品に比べて低価格のものも多いですが、これらの中には高リスクのものが潜んでいます。機器本体のメーカーとは無関係の事業者から販売されているものは、通常の使用であっても事故が起きる場合があります」と呼びかけました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
電動自転車のバッテリーが発火・爆発…なぜ?掃除機やスマホも注意、建物が全焼した被害も