【あわせて読みたい】パイロットが乗客として飛行機に乗る時に『やらない5つのこと』。乗り心地と安全性の向上につながる
子どものナッツアレルギーをめぐり、一家が航空会社の判断で飛行機から降ろされたとイギリス公共放送BBCが報じた。インディペンデントやロンドン・イブニング・スタンダードなど他メディアも取り上げている。
BBCによると、飛行機から降ろされたのは同メディアで天気レポーターを務めるジョージー・パーマーさんと夫、12歳と14歳の子どもの計4人。一家は5月21日、ロンドンからトルコ南西部のエーゲ海を望む観光地ダラマン行きのサンエクスプレス航空のフライトに搭乗した。
12歳の子どもに重度のナッツアレルギーがあったパーマーさんはアナフィラキシーを防ぐため、乗客らがピーナッツを食べないように機内アナウンスを入れてほしいと客室乗務員に頼んだという。
口に入れるなどナッツに直接触らなくても、機内で誰かがピーナッツを食べただけでアレルギー反応を起こし、命を落としかねないとの懸念があったためだ。
しかし、乗務員は「機内をまったくアレルギー物質のない環境にすることは保証できない」とし、機内アナウンスを断った。
パーマーさんは子どもの命の危険を感じ、他の乗客に直接お願いすることにしたという。その時の様子について、「最前列の乗客にお願いを伝え、メッセージを後ろの乗客に順番に伝えてもらうよう丁重に頼みました。みんな後ろの人へ伝言してくれました」と語っている。
写真説明:ジョージー・パーマーさん(左)と夫
A freelance BBC weather presenter says she was kicked off a flight from Gatwick Airport to Turkey after asking passengers not to eat peanuts.
Tap below to read more: https://t.co/ZMCSLllWyT
— BBC Sussex (@BBCSussex) May 27, 2024
パーマーさんはメールオンラインの取材に「子どものアレルギーを理由に機長から搭乗を断られました。機長は私が他の乗客に直接お願いしたと知ると、操縦席から怒鳴り始めました。怒りようはすさまじく、すぐに飛行機から降りるように言われました」と話している。
乗客たちはパーマーさん一家に協力的だったが、乗務員からは寄り添おうとする気持ちがかけらほども感じられなかったと語っている。
サンエクスプレス航空は以下のように説明している。
「この(パーマーさんが依頼した)ような機内アナウンスはお断りしています。他の航空会社と同じく、弊社もアレルギー物資がまったくないというフライトを確約できませんし、他の乗客がアレルギー物質を含む食べ物を持ち込まないようにすることもできません」とコメント。
一家を機内から降ろしたことについては「他の乗客にナッツ類を食べさせないようにする行為があり、一家には降りてもらうことが最も安全だと機長が判断しました」としている。機長の判断を受け、パーマーさんたちが乗務員に攻撃的な態度を取り、操縦席に近づこうとしたとも主張している。
サンエクスプレス航空のサイトには、乗客は健康状態などの理由から特別な手伝いやサービスが必要な場合は搭乗の48時間前までに航空会社に知らせる必要があると書かれているという。
ただ、パーマーさんは事前に同社に連絡をしようとしたが、つながらなかったとしている。
別の航空会社で翌日トルコへ
パーマーさん一家は翌日、トルコ行きのイージージェットに搭乗。このフライトでは、イージージェットの乗務員が乗客たちにピーナッツの袋を開けないように複数回にわたって機内アナウンスをしてくれたという。
BBCはブリティッシュ・エアウェイズ、イージージェット、ライアンエアー、ジェット2などの航空会社では、リスクエストがあれば乗務員が機内アナウンスを行い、フライトでのナッツ類の提供を控えると伝えている。
パーマーさんはITVの取材に「食物アレルギー全般について言っているのではありません。イギリスでは400万人に命を脅かすほど深刻なアレルギーがあります。アナフィラキシーは重大な問題なのです」と強調した。
続けて、「私たちは年1回のペースで家族で飛行機に乗りますが、航空会社には必ず事前に連絡を入れます。航空会社のサイトに記載されている規則にもすべて従っています。サンエクスプレス航空にも前もって電話でアレルギーのことを伝えようとしましたが、つながりませんでした。留守番電話のメモリーはいっぱいで、メッセージを残すことすらできませんでした。搭乗口のスタッフに伝え、搭乗時には乗務員にも子どものアレルギーのことを伝えました」と訴えている。
'It is time to make that clear distinction.'
A BBC presenter says she was kicked off a flight to Turkey with her family after asking passengers not to eat peanuts due to her daughter's allergy.
Weather forecaster, Georgie Palmer recalls what happened as she tells… pic.twitter.com/XO4J1zDeLa
— Good Morning Britain (@GMB) May 27, 2024
この報道についてネットではいろんな意見が上がっている。
「昨年乗ったフライトでも同じような機内アナウンスがありました。飛行時間は9時間でしたが、誰かの命にかかわるため、ナッツ類を食べずに過ごしました」という経験談があったほか、「ナッツアレルギーの恐ろしさを知らない人たちへ。パーマーさんは子どもの安全を第一に考えただけ」「誰かが死んでしまうかもしれないことより、ピーナッツを食べることを優先する人なんているんでしょうか」とパーマーさんの行動に理解を示す声が聞かれた。
パーマーさんの主張を支持する人がいる一方、「この一家がなぜ飛行機に乗るのか理解できません。航空会社の対応は正しかったと思います。乗客にナッツ類を食べないようにお願いしたところで全員が守ってくれるとは限りません。なぜ子どもを危険にさらすのでしょうか」「子どものアレルギーが重度だったということなので、前もって航空会社にはそのことを伝えておくべきでした」などサンエクスプレスの対応に納得する意見も見受けられた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
子どものナッツアレルギーめぐり、飛行機を降ろされた家族。「乗客にピーナッツを食べないよう機内アナウンスを頼んだ」