強風による花粉の大量飛散や土埃で、車のボンネットや窓ガラスがヒョウ柄になっているのを見かけている方も多いのではないでしょうか。
花粉は人だけでなく、車の塗装にとっても悪影響を及ぼす存在です。対策法を自動車向けトータルアフターサービスを提供する「カーコンビニ倶楽部」(東京都港区)に伺いました。
花粉には「お湯」が効く!?
せっかく車を綺麗にしたのに、次の日には花粉がびっしりという経験をしたことがある方も少なくないと思います。花粉は車体の見た目を損なうだけでなく、そのまま放置し続けると深刻な塗装トラブルにもつながりかねません。
「花粉にはたんぱく質の一種である『ペクチン』が含まれています。花粉が水と反応することで内部のペクチンが溶け出し、塗装面へ強力に張り付きます。これが車の塗装面を侵食し、いわゆる“花粉ジミ”の原因となるのです」(カーコンビニ倶楽部)
それでは、車を花粉ジミから守るにはどのような方法が効果的なのでしょうか。
「ボディに付着した花粉を落とす効果的な方法として、(1)定着する前に洗い流す(洗車する)、(2)使う水の温度をあげる、(3)ドライヤー等で熱を加える、の3つが挙げられます。
花粉は定着すると、落としづらくなるので、汚れが定着する前にこまめに洗車を行うことが何よりも大切です。
もし汚れがある程度定着してしまった場合は、水の温度をあげて洗車をすると良いでしょう。花粉が塗装面に定着する原因となるペクチンは、実は熱に弱いという性質があります。そのため、洗車に使用する水を45℃ほどのお湯にしたり、花粉がある部分をドライヤーなどで温めたりすることによって、通常では落としにくい花粉を比較的簡単に落とすことが可能になります。黄砂の場合も同様です。
また、温度が上がって密度が低くなったお湯は、水よりも粘度が低くなります。10℃の水に対して45℃のお湯の粘度は約半分となり、車の細かな隙間の隅々まで浸透しやすくなるため、洗車後の洗い残しや洗剤分のすすぎ残しが減り、洗車効率を向上させます」(カーコンビニ倶楽部)
予め花粉が付きにくくすることも大切
お湯を使った洗車の際に注意することはありますか。
「まず自分で洗車を行う場合は、車体に傷をつけてしまう可能性があることを念頭に置いておかなければなりません。とくにお湯で洗う場合は、温度の設定を間違えるとワイパーのゴムなどの劣化を早めてしまう可能性もあります。
また、洗車時のシャンプーや水滴が乾燥することで新たなシミや水垢を作り出す恐れもありますので、自然乾燥をさせるのではなく、セームやマイクロファイバークロスなどで水分をよく拭き取るなどの注意が必要です」(カーコンビニ倶楽部)
もちろん、花粉が車のボディに付きにくくする事前の対策も重要です。
「花粉の付着を軽減するためには、室内に保管したりボディーカバーを被せたりすることが有効です。
ただし、屋外保管で、ボディーカバーの使用が面倒だという場合は、あらかじめ『コーティング』を行っておくといいでしょう。コーティングは本来の塗装面の上に薄いガラス繊維などの皮膜を形成することで、塗装面をなだらかにして艶や光沢を出し、強固な皮膜によって塗装面を汚れ等の外敵から守る効果が期待できます」(カーコンビニ倶楽部)
花粉の多いこの時季は、花粉が車体の塗装面に定着する前にこまめに洗車を繰り返すことなど、いつも以上に愛車を大切にしていくのが良いかもしれません。
取材協力:カーコンビニ倶楽部(https://www.carcon.co.jp/)
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)Inoueさん
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