【こちらも読みたい】「無駄遣いはダメ」はNG。お年玉をあげる時、子供に言うべき言葉を金融教育のプロが解説
物価高に円安も相まって、日常生活を送るなかでも感じる家計の負担増。物価の伸びほどに、賃金の増えていないと感じる人も多いのではないでしょうか。
家計を守っていくにはどうしたらいいか、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに話を聞きました。
物価上昇で負担はどのくらい増える?
高山さんに解説してもらう前に、実際にどれほど家計への負担が増えているのか見てみましょう。みずほリサーチ&テクノロジーズが政府によるガソリンや電気・ガス代の補助などの物価高対応策を踏まえ、2023年度は前年度に比べてどれほど出費が増えるかを年収ごとに試算しています。
一番ボリュームが大きい所得層である「200万〜300万円未満」を含む「300万円未満」では、食料の支出が前年度より7万4413円増えます。電気・ガス代などの補助が2万4850円ありますが、結果として家計の負担額は6万5903円も重くなります。
所得が高くなるほど、負担は大きくなります。全体平均の負担額は、10万2092円も増える計算です。
家計を守るための高山さんのアドバイスは?
いろんな相談者に話を聞いていると、買い物に行ってこれまでは5000円で済んでいたのが今では7000円もするというようなことを耳にします。
大企業では賃金が上がっていますが、中小企業では上がっていないところも多い。大企業に勤務している人はボーナスも増えていて、円安ですけどハワイなど海外旅行に行ってらっしゃいます。格差が開いてきていると感じます。
今までは食費や日用品など何をどう節約したらいいか考えるのが一般的でした。しかし、節約の努力以上にモノの値段が上がってきている局面にあります。
そうなると、毎月必ずかかる光熱費や保険料、サブスクリプションなど固定費の見直しに着手することになります。
電気代については、家電が古い場合は買い替えるのも選択肢の一つです。省エネ家電に買い換えるとどれほど電気代が抑えられるかを調べられる「しんきゅうさん」という環境省のサイトがあります。
冷蔵庫やエアコンなど、現在使っている家電の購入年やメーカー、型番などとともに買い替えを考えている製品の情報を入れると、年間にどれくらい節電でき、電気代が抑えられるかといったデータが確認できます。
10年以上使い続けている人は買い替えのタイミングらしく、初期投資はかかりますが長期的にみれば節約につながります。
保険に入っている人は、保障内容が今の医療事情にあっているか確認してみましょう。家族で重複して入っていないか、持っているクレジットカードにはどんな傷害保険が付いているかなども見ておくといいでしょう。
サブスクは、コロナ禍にいろいろ入った人がいるのではないでしょうか。NetflixやAmazonプライムなど複数の動画配信サービスに加入している人もいますが、サブスクは1カテゴリー1つまでにするといいでしょう。
住宅ローンの借り換えも固定費の見直しとして有効になる場合があります。
住宅ローンのない賃貸の人にも試してみてほしいことがあります。ダメだと思っている人が多いかもしれませんが、大家さんに家賃の交渉をしてみることです。直接できない場合は、不動産会社を通しましょう。大家さんの状況によっては、出て行かれると困るから更新料を半額にしますなんてこともあります。ダメ元で聞いてみるといいでしょう。
高山一恵さんプロフィール
Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めた後、現職へ。女性向けWebメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。全国での講演活動、執筆・相談業務も行う。著書は『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)、『はじめての新NISA &iDeCo』(成美堂出版)など。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「節約の努力では追いつかない」。物価高と円安のダブルパンチから家計をどう守る?FPが解説