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タイタニックの5倍、超豪華な世界最大のクルーズ船が公開。SNSでは不安の声も「人間のラザニア…」

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「アイコン・オブ・ザ・シーズ」の完成イメージ図「アイコン・オブ・ザ・シーズ」の完成イメージ図

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世界最大のクルーズ船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」の完成イメージ図が7月、公開された。

この20階建てのクルーズ船は、全長365メートル、予想重量25万800トンと、大きさ・重さともにタイタニックの約5倍ある。

乗客定員はツインベースで5610人(最大では7600人)、乗組員数は2350人が収容可能。

広大な船内には、草木が生い茂る「セントラルパーク」や個性豊かな「8つの街」があり、運営するロイヤル・カリビアンは「海の上の超巨大テーマパーク」と呼んでいる。目も眩むような豪華さのアイコン・オブ・ザ・シーズは、2024年にツアーを開始する予定だ。 

SNSでは不安の声も 

公開された完成イメージ図に対し「すごい」「自分が住んでいる街よりたくさんの人が乗れる」といった驚きの声があった一方で、SNSでは巨大さに対する不安なども目立った。

Twitterには、次のようなコメントが投稿されている。

・これは人間のラザニアだ。シャチにとってご馳走だろう

・ 写真を見るだけで不安を感じます

・ 「タイタニックの5倍の大きさと重さ」って、乗りたくない特徴では….

・巨大なクルーズ船を見ると不安になります。海の真ん中に閉じ込められるなんて考えられません

注意しておきたいのは、ネットで広まっているのはイメージ図だという点だ。

最近の試運転の写真は、イメージ図とは少し異なるように見える。

また、アイコン・オブ・ザ・シーズは6月に初めて外洋を航海し、スタッフが4日間にわたって主エンジンや船体、操舵装置、その他の部分をテストした。

6月に初めて外洋を航海したアイコン・オブ・ザ・シーズ6月に初めて外洋を航海したアイコン・オブ・ザ・シーズ

なぜ豪華客船を不安に感じるのだろう?

それでも、イメージ図に対して不安を感じた人がいるのは驚きではないようだ。

心理学者のエリザベス・モーレイ氏は「私たち人間は、生まれつき安全を気にするようにできている」とハフポストUS版に語った。

「私たちは本能的に、脅威から逃れたいと感じます。そしてこのイメージには、安全上の脅威になりうると感じさせるものが多数存在します」 

例えば「海が荒れた時この巨大なクルーズ船は安定するだろうか?」「構造に問題はないというが、今にもバランスを崩しそうなアイスクリームケーキのように見える」といった不安を抱く人もいるかもしれない。

また、クルーズ船に関連した悪いニュースが続いていることも、ネガティブな印象を抱く一因になっている可能性がある。    

クルーズ船では近年、新型コロナ感染症の集団発生のほか、性的暴行事件や乗客の転落事故などが続いている。

2013年には、カーニバル・トライアンフ号で火災が発生して電力が使えなくなり、トイレを使えないまま乗客が5日間も船上で過ごしたこともあった。

また、船の巨大さに圧倒されて自分を無力に感じることもあるようだ。

モーレイ氏は、「この巨大な船、しかもほとんどが密閉された空間で一部は海面の下に沈んでいるような場所と比較して、自分の小ささを感じずにはいられない」と述べる。

さらに、海洋恐怖症や巨大物恐怖症、閉所恐怖症のある人も、イメージ図から不安を感じる可能性がある。

「アイコン・オブ・ザ・シーズ」の完成イメージ図「アイコン・オブ・ザ・シーズ」の完成イメージ図

ミシガン州デトロイトにあるウェイン州立大学の精神医学准教授、セス・D・ノーホルム氏は、 このクルーズ船のイメージ図が「人類や人類のおかしなものの象徴が詰まったテトリスのブロックのように見えた」と話す。

ノーホルム氏によると、人間は一般的に社会的な生き物であるものの、クルーズ船を過剰と捉える人も少なくない。

「ニューヨーク市は人と人が重なり合い、個人の空間がほとんどないから住めないと言う人はたくさんいます」

つまり、長時間にわたって他人と近い距離で過ごすことを好まない人がたくさんいるということだ。

その傾向は、コロナ禍で人々が集まる場所では感染症が急速に広がると知ったことで、特に強まっている。

また、ノーホルム氏は、船のサイズと豪華さが、罪悪感に結びつく可能性もあると指摘する。

「クルーズ船は過剰さや暴飲暴食、アルコール飲み過ぎといったあまり良くないイメージと結びつきます。 アイコン・オブ・ザ・シーズには40ものバーがありますから」

また、この豪華客船の開発に費やされた時間やお金を考えた時に、「この過剰さは本当に必要なのだろうか、これらの資源を使って何か他にできたことがあったのではないだろうか」という疑問を感じる人もいるかもしれない。

ノーホルム氏は「映画『ウォーリー』を思い出します。自らの行動によって地球に住めなくなり、宇宙の大きな『クルーズ船』で暮らしている人間が、怠惰で暴飲暴食をして移動式の椅子で運ばれるようになる様子です」と話す。

また、タイタニックという言葉が氷山に衝突して海底に沈んだ豪華客船を想起させる、という問題もあるだろう。

6月には、タイタニック号の見学ツアー中だった潜水艇「タイタン」が消息を絶ち、高額なツアー料金を支払った乗客たちが亡くなっている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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