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「ぎゃー!痛い!」エレベーターに響いた子どもの悲鳴。いったい何が?日常に潜む危険に要注意

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電車やエレベーターのドアを収納する「戸袋」に、子どもの手や腕が挟まれる事故が発生している。

東京都内だけでも5年間で100人超の乳幼児が救急搬送されており、なかには骨折など重傷を負ったケースもあった。

この痛ましい事故は決して他人事ではない。記者も実際に起きた現場を目の当たりにした。

子どもと一緒に電車やエレベーターに乗った際、どのようなことに気をつけるべきなのか。ポイントをまとめた。

 「ぎゃー!痛い!痛い!」突然の叫び声

子どもの手が戸袋に挟まれる事故に遭遇したのは、都内の商業施設だった。

記者がエレベーターに乗っていると、途中の階から小学校入学前くらいの男の子が保護者と一緒に乗ってきた。

エレベーターは狭く、既に記者を含む大人3人が乗っていたことから、2人はドアの近くに立っていた。

商業施設の出口がある階のランプが点灯し、ドアが開き始めた。前に立っていた男の子と保護者が降りようとした瞬間、大きな叫び声が響き渡った。

「ぎゃー!痛い!痛い!」

驚いて見ると、男の子の左手が半分ほど開いたドアを収納した戸袋に挟まっていた。ドアに触れていた手がそのまま引き込まれたとみられる。

古いタイプのエレベーターだったからか、異常を察知して動作が停止することはなく、さらに手が引き込まれそうになっていたため、記者はとっさに扉をおさえた。

しかし、扉を開こうとするエレベーターの力は当然ながら強い。

逆に「閉」ボタンを押したほうがいいのか。しかし、手に負荷がかかってしまったらどうする。緊急停止ボタンはどこーー。

「誰か119番してください」と言いかけた時、保護者が男の子の手を少し強く引っ張った。すると、運よく小袋から手がすぽっと抜けた。

手が挟まっていた時間は5秒ほどだったが、男の子の大きな叫び声が痛ましく、体感的にはとても長く感じた。

エレベーターから降りた保護者は「大丈夫?大丈夫?」と声をかけながら息子の手を必死にさすっていた。

けがの程度はわからなかったが、男の子の手は赤くなっていた。保護者は病院に連れて行くためか、男の子を抱き抱えて足早に去っていった。

画像はイメージです画像はイメージです

搬送者の約4割が乳幼児

子どもの手や指、腕が戸袋やドアに挟まれて救急搬送される事故は相次いでいる。

東京消防庁によると、特に電車の戸袋やドアに挟まれるケースが多く、2017〜21年の5年間で105人の乳幼児(0〜5歳)が救急搬送された。

大人を含めた搬送者は計287人だったため、約4割を乳幼児が占めたことになる。

0〜5歳だけみると、搬送者は2歳が30人と最も多く、1歳が22人、5歳が17人と続いた。

事故の事例としては、電車のドアが開いた際、戸袋に腕が引き込まれたり、親に抱かれて乗車中、ドアが開いた際に手を挟まれたりするもので、乳幼児105人のうち99人が戸袋に挟まれて救急搬送されていた。

なお、消費者庁の「子どもを事故から守る!事故防止ハンドブック」は、鉄道の戸袋やドアだけでなく、エレベーターの戸袋に手を引き込まれたり、ドアに挟まれたりする事故にも注意するよう呼びかけている。

鉄道の戸袋やドアに挟まれて救急搬送された人数(2017〜21年)鉄道の戸袋やドアに挟まれて救急搬送された人数(2017〜21年)

このような事故を防ぐには、何に気をつけるべきなのか。

東京消防庁は、ベビーカーに乗せていた時も事故が発生しているとした上で、子どもの手や腕、足などがドアに触れることがないように見守ってほしいと呼びかけている。

一方、エレベーターや電車内が混雑している時など、ドアの近くに立たざるを得ない状況もある。その際は、より注意深く子どもを見ておく必要がありそうだ。

消費者庁にも同様の報告が多数入っており、なかには電車の戸袋に1歳児の手が15〜20分も引き込まれた事故があったことなどから、「ドアから離れること」を注意するポイントとしてあげている。

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「ぎゃー!痛い!」エレベーターに響いた子どもの悲鳴。いったい何が?日常に潜む危険に要注意

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