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「ネガティブな自分を否定しない」。プリキュア20周年『ひろがるスカイ』声優は、今も“あの台詞“に勇気をもらっている

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キュアスカイ(左)と、声優を務める関根明良さんキュアスカイ(左)と、声優を務める関根明良さん

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『プリキュア』シリーズの20周年作品として、2月5日に放送が始まった『ひろがるスカイ!プリキュア』(ひろプリ、毎週日曜、ABCテレビ・テレビ朝日系列)。主人公のソラ・ハレワタール(キュアスカイ)は、シリーズ初となる「異世界出身でイメージカラーが水色の主人公」です。

演じる声優の関根明良さんは、「みんな、誰かのヒーローになれる」と強調。見ている人の世界を広げたいと話します。

◆ネガティブな自分も否定しない。そんなプリキュアという「ヒーロー」

キュアスカイ(ソラ・ハレワタール)を演じる関根明良さんキュアスカイ(ソラ・ハレワタール)を演じる関根明良さん

――プリキュアシリーズは今作で20周年になります。関根さんにとって、プリキュアはどんな存在ですか。 

大人になっても、ふとした時に自分の背中を押したり支えたりしてくれる存在だと感じています。特に、『スマイルプリキュア!』(2012〜2013年)第46話で、主人公のキュアハッピーがピンチになった時に放った「ネガティブな私、どいて!」という言葉が、ずっと心に残っています。「消えて」じゃなくて、「どいて」だったことが印象的で。ネガティブな自分を否定するのではなく、認めた上で進んでいく前向きさを感じました。

私はいろんなことが心配になっちゃう性格でもあって。当時は「自分なんか…」「ネガティブじゃない性格になれたら良いのに」って悩んでいた時期でもありました。だから、弱さを認めた上で発してくれた力強い言葉が、胸にグッと刺さりました。プリキュアの収録の時など、不安になった時は今も思い出します。

――プリキュアが一生懸命な姿を見せてくれるから、言葉も心に残るのかもしれません。

私は幼い頃にプリキュアをリアルタイムで見ていたわけではなくて。キュアハッピーの言葉も実はたまたま、家でつけていたテレビで流れていたもの。プリキュアのオーディションを受けるまで、それが『スマイルプリキュア!』だということも意識していなかったのですが、あの言葉とキュアハッピーのがむしゃらな姿は忘れられなくて。

プリキュアって、20年の全部を見ていなかった私にも寄り添って、背中を押してくれる作品なんだなと思いました。頑張らないといけない時や不安な時など、人生にはいろいろありますが、私もソラちゃんとして、日常のふとした時にも思い出してもらえるような言葉を紡いでいきたいです。

ネガティブな自分を否定しない。そんなプリキュアに支えられたネガティブな自分を否定しない。そんなプリキュアに支えられた

――ひろプリのテーマは「ヒーロー」。キャストコメントで、関根さんは「自分にとって、ソラちゃんはヒーロー」と書かれていました。 

ヒーローとは「憧れの先」にいてくれる人だと思っています。プリキュア20周年の記念すべき作品ということで、最初はものすごくプレッシャーを感じていました。ソラちゃんは未熟な部分はあるけれど、ヒーローという目標に向かってまっすぐなところが、かっこよくて憧れるんです。私も未熟だけれども、ソラちゃんと一緒に頑張ろう、ともに成長していきたいなと思うようになりました。

◆「異世界出身で水色」の新主人公。「みんな誰かのヒーローになれる」

『ひろがるスカイ!プリキュア』。中央左がキュアスカイ『ひろがるスカイ!プリキュア』。中央左がキュアスカイ

――プリキュアの声優をやるのは1つの夢で、オーディションを複数回受けられたと聞きました。 

私は小学校の低学年の時くらいから声優になりたいと思っていました。きっかけは覚えていないのですが、たぶん国語の音読を褒められたとか、些細なことだったと思います。そこから目標に向かって動いていく中で、ネガティブな自分はいるのですが、絶望したり諦めそうになったりしたことはなくて。それは「無理じゃない?」と私の夢を否定せず、応援してくれる人が周りにいてくれたのも大きいと思います。

実際に声優としてお仕事ができるようになり、振り返った時に、支えてくれた友人や先生、応援してくださる皆様に恩返ししたいなと、夢が一歩ステップアップしました。キュアスカイ役が決まり、友人から「子どもと一緒に1年間、楽しませてもらうね!」と連絡がきて、また一個夢が叶ったことが嬉しかったですね。

――そんな関根さんが演じられるのは、シリーズ初のイメージカラーが水色の主人公。「時代を感じる」といった反響もありました。

ピンクのイメージはあったのですが、初めて見た時は率直に、ひろがるスカイ…空だし、それなら青だ!って思いました(笑)

電車や外で遊んでいる子どもたちを見ると、ランドセルが赤や黒だけはなく、ピンクに水色、紫色など、とてもカラフルになっていて。決められたもの1つじゃなくて良いんだ!と改めて思わせてくれました。私の子ども時代は、青って男の子のものだというイメージだったんですよ。青い色鉛筆は男子、赤は女の子みたいな。だけどソラちゃんを見て、女の子だって青も好きだよね!と感じました。

「女の子だって青も好きだよね!」ランドセルから、決められたもの1つじゃなくて良いと感じてきた「女の子だって青も好きだよね!」ランドセルから、決められたもの1つじゃなくて良いと感じてきた

――キュアスカイは、「異世界の子が主人公になる」という点も新しい要素ですよね。

スカイランド出身のソラちゃんは、私たちにとって「当たり前」なものでも新鮮に感じ、時に驚いた様子を見せます。例えば車を見て、すごい!みたいな(笑)

そんな姿を見て、当たり前のものと思うだけではなくて、たしかにどういう仕組みになっているんだろうといった興味を持つきっかけになってくれたら嬉しいですし、ソラちゃんに教えてあげるような気持ちで見ていただきたいなと思っています。 

――「異世界人」であるソラちゃん。私たちと共通する部分は。 

「人を思う心」は同じです。ひろプリのみんなって本当に人を否定しなくて。「誰かを受け入れる心」は、共通しているんじゃないかなって。知ることって、時に気づきや新しいつながりを生んでくれるなど、楽しいことだと思うんです。

見ていただく人の世界を広げていけるよう、関根はソラちゃんと一緒に1年間走り、そして羽ばたいてまいります。ヒーローの出番、期待していてください!

 <取材・文=佐藤雄(@takeruc10)/ハフポスト日本版>

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「ネガティブな自分を否定しない」。プリキュア20周年『ひろがるスカイ』声優は、今も“あの台詞“に勇気をもらっている

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