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日本の性交同意年齢は13歳。「司法に苦しめられている」年齢引き上げ、“不同意性交”の処罰を求める声

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世界各国の性交同意年齢世界各国の性交同意年齢

性行為への同意を、自ら判断できるとみなされる「性交同意年齢」。日本は明治時代に「13歳」と制定されて以降、100年以上変わっていない。

性犯罪に関する刑法改正の議論が、法務省の法制審議会で本格化する中、被害の実態に即した法改正となるよう求める声が上がっている。

性暴力被害者の支援に当たる複数の団体が10月3日、オンライン記者会見を開き、性交同意年齢の引き上げや同意のない性行為を処罰する「不同意性交等罪」の創設などを訴えた。

韓国、フィリピンも16歳に引き上げ

法制審では、性交同意年齢を一律で16歳に引き上げる案と、16歳に引き上げた上で年齢差が少ないケースなど一定の場合を処罰対象から除外する案が主に検討されている

NPO法人「スクール・セクシャル・ハラスメント防止関東ネットワーク」の徳永恭子さんは会見で、「義務教育が終了していない段階で性的行為の意味を認識することはかなり困難で、その影響や結果を理解する力が十分に備わっているとは言えない状態だ」と指摘。義務教育年齢の全ての子どもがカバーされるよう、16歳に引き上げられることが重要だと強調した。

G7や先進国など、世界各国では以下のように規定している。

16〜18歳 アメリカ(州によって異なる)

16歳 カナダ、イギリス、スペイン、ロシア、フィンランド、韓国、フィリピン 

15歳 フランス、スウェーデン

14歳 ドイツ、イタリア

近年、性交同意年齢を引き上げる動きが相次いでおり、韓国は2020年に13歳から16歳に、フィリピンは2022年に12歳から16歳にそれぞれ引き上げた。

「暴行・脅迫」要件は?

法制審では、性交同意年齢を含む10の諮問項目をめぐって議論が進められている。最大の論点の一つが、「暴行・脅迫要件」の見直しだ。

現在の強制性交等罪(刑法177条)は「暴行または脅迫」があったことを、準強制性交等罪(刑法178条)は「心神喪失もしくは抗拒不能」に乗じて性交などをしたことを、それぞれ罪の成立要件としている。

暴行・脅迫は「被害者の反抗を著しく困難にする程度」と認定されなければならず、立証のハードルが極めて高い。被害に遭った時に体がフリーズするなどの症状も考慮されず、被害の実態に即していないと指摘する声が上がっていた。

法制審では、主に以下の2つの条文案を叩き台として議論が進んでいる。

A案:<次の事由により、その他意思に反して、性交等をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処するものとする>

B案:<次の事由その他の事由により、拒絶する意思を形成・表明・実現することが困難であることに乗じて、性交等をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処するものとする>

A案では「その他意思に反して」との表現になっており、同意のない性交を処罰する、いわゆる「不同意性交等罪」を罰する内容となっている。これに対し、法制審では委員から「人の内心そのものを直接問題とするため、いかなる場合に処罰されるのかが明確であるとはいえない」などの否定的な意見が複数上がっている。

一方、B案は「拒絶」という文言が入っていることから、被害者側に「性的行為を拒絶する義務があるという発想をもたらすもの」だとして反対する声も委員から上がった。

国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」副理事長の伊藤和子さんは、「加害者側が『抗拒不能だと知らなかった』と主張し、無罪になっている事例が多い。(B案の)『拒絶する意思を形成・表明することが困難』という要件で、そういった問題に対応できるのか」と疑問を呈した。

性被害当事者らでつくる一般社団法人「Spring」の代表理事、佐藤由紀子さんは「被害者は、同意をめぐって警察などの捜査機関や司法のあり方に長年苦しめられています」と強調する。

「被害者は同意していなかったのに、加害者の暴行や脅迫、被害者の抗拒不能が認められず、『嫌だったらもっと激しく抵抗するはず』『抵抗できたのにしなかった』として被害者の不同意が(裁判で)認められないケースが非常に多い」と指摘。被害者の視点に立った刑法改正を求めた。

法制審の開催に先立ち、性犯罪の刑法改正を議論する法務省の検討会の取りまとめ報告書では、「性犯罪の処罰規定の本質は、被害者が同意していないにもかかわらず性的行為を行うことにあるとの結論に異論はなかった」と明記された。

佐藤さんはこの一文に触れ、「そうであるならば、処罰の判断は被害者が拒絶をしたかどうかではなく、行為をする側が相手に同意の有無を確認したかどうかにされるべき」と訴えた。

 <取材・執筆=國崎万智@machiruda0702/ハフポスト日本版>

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