ピーマンが旬を迎えています。ピーマンは1年中出回っていますが、本来は夏野菜の代表。露地栽培で夏の日差しを浴びて育ったものは、ハリがあって栄養価も高く、味も濃いといわれています。
しかし、ピーマンは子どもを中心に苦手な人が多い野菜でもあります。栄養豊富なピーマンを、おいしく食べられる方法を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
酷暑に打ち勝つ栄養効果がある!?
夏野菜といえばピーマンやトマト、キュウリ、ゴーヤ、ナス、カボチャなどがあります。こうした夏野菜には暑さに打ち勝つ栄養素が多く含まれているといいます。
「例えばキュウリは汗をかくことで不足する水分やカリウムが多いですし、トマトには暑さに対するストレスによる活性酸素の増加に対抗する抗酸化作用があります。
ピーマンも同様で、強い紫外線を受けやすい皮膚をすこやかに保つビタミンCが豊富です。また夏風邪予防にも効果があるビタミンAも含まれています。夏には夏野菜を食べる、というのは理に適ったものなのです」(吉田さん)
ピーマンの苦みは切り方で変わる
栄養豊富なピーマンですが、独特の苦味が嫌い、という人も少なくないようです。
「ピーマンの苦み成分の正体は、最近まではっきりしていませんでしたが、ポリフェノールの一種とピーマン特有の香り成分の『ピラジン』が加わってできたもの、とされています。
この苦み成分は細胞の中にあるため、細胞壁を壊すと苦みが流れ出て感じるわけです」
つまり、細胞壁をなるべく壊さないようにすれば苦味が少ない、ということになります。
「JA全農も苦みを少なくするために、繊維に沿って縦に切る方法を勧めています。ピーマンは繊維が縦に走っていて、繊維に沿って切ると細胞壁を壊す割合を減らすことができます。逆に、繊維を断ち切るように横に切ると、苦みが多くなるのです。
ピーマンの苦みが好きな方は横、苦手なら縦に切って調理する、ということになります。食感も切り方で変わってきます。縦だと繊維が残っているのでシャキッとし、横だと柔らかくなるのです」(吉田さん)
切り方以外で苦味を抑える食べ方も
ピーマンの苦みを抑えるには、まずは細胞を壊さないこと。それには丸ごとがおすすめだといいます。
「肉詰めにしてじっくり焼くと甘みも出てきます。また皿に並べて日本酒を少々ふってからラップをかけ、600Wで3~4分加熱してから調理しても苦みが和らぎます。ただし、あまり加熱しすぎるとシャキッとした食感はなくなりますので、ご注意ください」(吉田さん)
夏の日差しが強くなるいま、抗酸化作用や夏風邪予防に効果があるビタミンCやAが豊富なピーマンをおいしく食べて体調を整えましょう。
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ピーマンは切り方で味が変わるって本当? 苦味を抑える切り方と食べ方とは