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「生理痛が重い」が言えないことと、政治の関係に気づいた。 #女性に投票チャレンジ が目指す世界

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7月10日に投開票される参院選で、女性議員をどう増やすのか。

候補者の女性が過去最多になった今回の参院選。この機運を、実際の女性議員増加にまでつなげようと活動しているのが、有志団体「 #女性に投票チャレンジ 」だ。InstagramTikTokを通じて、若い世代にもリーチしようとさまざまな発信をしている。

「女性の政治家、自然には増えない」。

メンバーの1人、大学生の​​大島碧生さん(津田塾大学4年)は、主にTikTok担当として投稿する動画の作成などに取り組んでいる。

大島さんは大学一年生の頃、Twitterに「生理痛が重い」と投稿したところ、知人の男性に「はしたないから言わないほうがいいよ」と諭された、という経験がある。

なぜそんなことを言われなくてはならないのか。

モヤモヤした気持ちから勉強や研究などを進めるうち、さまざまな研究結果に行き着いた。それは、例えば日本では性教育が不十分なため、男性が生理について学ぶ機会が少なくタブー視されていることや、生理痛の改善にも役立つ低容量ピルの認可にものすごく時間がかかったことなどが、政治の世界にほとんど男性しかいないことと無関係ではないと示すものだった。

「女性関連政策がなぜ進まないんだろう。その一番の問題は、女性の政治家がいないことです。選挙制度そのもの、当選してからもずっと女性に不利な世界で、女性の政治家は自然には増えない。私たちが支援する必要があると思いました」

「女性に投票チャレンジ」TikTok画面より「女性に投票チャレンジ」TikTok画面より

「政治に興味がなくても生きられる、ではなかった」。

もう1人の学生メンバー、山島凜佳さん(お茶の水女子大学2年)は、大島さんと共に、2022年の金沢市長選で女性候補の応援ボランティアを経験した。

実は、山島さんは「去年の衆院選の時点では、ほとんど興味がなかったんですよ」と打ち明ける。しかし、知人に誘われたことをきっかけに、故郷・金沢の市長選に立候補した女性候補の応援ボランティアに参加したことで、自分が変わった。

その女性候補は山島さんが「なんとなく保守的な空気で生きづらい」と感じていた故郷の金沢を変えたいと、行動したという。共感した。

しかし、実際に応援してみると、女性が政治家になることの難しさを感じざるを得なかった。

わかりやすく街頭で「女なんかに政治がわかるわけない」と吐き捨てられたこともあった。

一方で、国際機関などで働いていた女性候補の経歴をかっこいいと感じていたのに、同じくサポートしていた仲間から「女性候補のイメージ戦略としては、キャリアの話より、毎日子どものお弁当作りをしている母親としての姿を打ち出すべき」というアドバイスを受け、実際にその候補が提案を受け入れる様子を目の当たりにしたこともあった。

「私は、政治に興味を持たなくても生きていけるって思ったんですけど、そうではない。自分と政治とは無関係ではないんだと気づきました。政治の世界に女性が増えることってゴールではなく、スタート地点でしかない。TikTokには辛いコメントが来ることも多いけど、視聴数はすごく伸びている。多様な意思決定の場を作るための一番最初のアクションに関わっているように感じています」

女性に投票チャレンジの記者会見。左から清藤千秋さん、山島凛佳さん、天野妙さん、穗積勇起さん、大島碧生さん、緑さん女性に投票チャレンジの記者会見。左から清藤千秋さん、山島凛佳さん、天野妙さん、穗積勇起さん、大島碧生さん、緑さん

「推し議員」を紹介する

メンバーは他に、みらい子育て全国ネットワーク代表・合同会社Respect each other代表の天野妙さんやインフルエンサーの笛美さんらが参加し、およそ20人で活動している。

党派を問わずに女性議員を応援する団体。しかし、もちろん「女性だったら誰でもいい」というわけではない。

プロジェクトでは、女性候補者に対して、3つのジェンダー平等政策への賛否をアンケートで問い、期日までに賛成の回答が得られた候補を中心に「推し議員」として紹介している。

・選択的夫婦別姓の実現
・緊急避妊薬を薬局で買えるようにすること
・現在13歳である性交同意年齢の引き上げ

そして、それと共に進めているのが「2枚目は女性」プロジェクトだ。

なぜ「2枚目は女性」なのか?

今回の参院選、女性候補の割合が比較的多いのは、実は「比例区」の候補者だ。

参院選で、有権者は都道府県単位を基本とする「選挙区」と、全国を舞台に得票を競う「比例区」にそれぞれ1票ずつを投じる。重複して立候補ができる衆院選とは違い、候補者はどちらかの区だけに立候補する仕組み。

例えば、自民党からは19人の女性が立候補したが、そのうち10人は比例区だ。全体の女性候補率は23.2%だが、比例区に限ると30%となる。選挙区には現職がいることから、新しい候補者の擁立が難しいためで、その結果、全国には男性の候補者しかいない選挙区さえある。

しかし、比例区は全国から票を集めなければならない。そのため、タレントなどの有名人や、業界団体・労働組合などの組織票を集めやすい候補が有利とされている。

こうした実態を踏まえて、「2枚目は女性」プロジェクトは、政党名と比例区の候補者個人の名前、どちらを書いても良い「2枚目」に女性の名前を書くように呼びかけている。

比例区での当選は、まず最初に政党名票と個人名票の合計で各党の当選者数が決まり、党の中での当選順位は個人名票の多い順で決まる。2枚目には特に当選してほしい女性候補の個人名を書くことで、党内での順位争いで、女性候補が有利になるようにというのが、この団体が呼びかける「裏技」だ。

業界団体は全国で関わる人々の「組織票」を、比例区の特定候補に集中させることで、効率よく自分たちの代弁者を送り込んできた。その仕組みを利用して、女性を増やそうというのが狙いだ。

「女性議員が増えれば政策の優先順位も変わります。国会を、女性の国会議員が安心して働ける、きちんと政策を話せる場にしていく必要もある。当選順位は実は国民が決められる仕組みだということを知って欲しい」。天野さんはそう話している。

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「生理痛が重い」が言えないことと、政治の関係に気づいた。 #女性に投票チャレンジ が目指す世界

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