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冬の乾燥による「肌のかゆみ」のNG対処法とは?温めるor冷やす…どっちが正しい?

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2024/11/12 05:00 ウェザーニュース

冬は乾燥の季節。シベリア高気圧の勢力が強くなり、日本列島に冷たい季節風が吹き込んでくるようになります。日本海側には雪をもたらし、太平洋側では乾いた風となります。寒さと乾燥で辛くなるのが肌のかゆみです。

野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生にかゆいときの対処法を教わります。

ウェザーニュースで2023年の11月に「最近かゆみが気になりますか?」というアンケート調査を実施したところ、「ほとんど気にならない」が32%だったのに対し、「多少気になる」が50%、「かなり気になる」が18%と、かゆみを気にしている人の割合が多くなっていることが分かりました。

「急に寒くなったので、乾燥+かゆみを訴えて来院される方が増えました。肌のかゆみには、アレルギーやかぶれ、蕁麻疹(じんましん)などさまざまな原因がありますが、これから冬に向けて気をつけたいのが『乾燥肌』です」(野村先生)

冬の天気予報ではよく「乾燥した空気」という言葉を使いますが、およそ湿度50%未満の状態を指します。

「皮膚(=肌)は体の一番外側にあり、菌やウイルスなどの異物や紫外線などの刺激から体を守り、水分を保っている大切な“臓器”です。冬は空気の乾燥が進むことで、肌の水分が奪われやすくなります。

また、秋から冬にかけては冷えにより肌の血流量が減少し、さらに寒さにより汗をかくことが減ります汗は保湿成分や抗菌ペプチドを含んでおり、肌のバリア機能の一端を担っているものです。こういったことから肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなり、かゆみを感じやすくなるのです。

肌にとって快適な湿度は、50~60%程度。暖房器具の使用でも、部屋の空気は乾燥しがちです。乾燥すると、全身がかゆくなったり、ちょっとしたこすれなどでもかゆみが生じてしまうのです」(野村先生)

温めるor冷やす? かゆいときの対処法

 肌がかゆいとき、どうしたらよいのでしょうか。
「かゆいとすぐにかいてしまいがちですが、肌を傷つけたり患部を刺激して悪化させることがあるのでよくありません。一時的にスッキリしても、刺激により表皮の細胞から炎症を促す物質が出て、周囲の神経や細胞が刺激されて、かゆみの悪循環につながります。
肌がかゆいときは、冷たいおしぼりなどでクーリングしてみましょう。神経の興奮がおさまって、かゆみが落ち着いてきます」(野村先生)
患部を温めるのはどうでしょうか。
「かゆみの原因にもよるのですが、多くの場合温めるとかゆみが強くなります。温めることで、かゆみを伝える神経の活動が活発になるからです。
特に、アトピー性皮膚炎や、湿疹が生じていると、お風呂上がりにかゆみが強くなることがあります。暖房によって暑すぎるとさらにかゆみが増しますので、室温にも注意しましょう」(野村先生)

かゆいときのNG対処法

肌にかゆみがあるときに、注意したいことがあるといいます。

▼氷や保冷剤で直接冷やす
クーリングといっても、冷やし過ぎには注意が必要です。

「氷などを直接肌に当てると温度が低くなり過ぎたり、外した後に腫れたりすることがありますのでよくありません。冷たいおしぼりや、タオルで包んだ保冷剤などで、優しく冷やしましょう」(野村先生)

▼洗顔時などにこする
洗顔時やタオルを使うときに、ゴシゴシしてしまうことがあります。

「ゴシゴシするとスッキリするという人もいますが、かくのと同じように過剰な刺激となり、肌のバリア機能を損なう原因となります。顔や体を洗うときは洗浄剤を軽く泡立て優しく洗い、すすぎもかけ湯などで優しく流しましょう。ふき取るときは、タオルも軽く押すようにして、優しく水分を吸わせます」(野村先生)

▼42℃以上のお風呂
寒くなるとシャワーや湯船の湯温を高めに設定しがちです。

「湯温が42℃でかゆみセンサーが働き始めます。かゆみがある人は、39〜40 ℃程度のぬるめにしましょう。また、入浴後は皮脂が奪われがちですので、お風呂上がりは全身の保湿ケアを忘れないでください。脱衣場ですぐ塗るのがおすすめです」(野村先生)

▼モコモコ素材の肌着・パジャマなど
チクチクする服はもちろん、モコモコ素材のパジャマや毛布も肌に刺激となるといいます。

「気づかぬうちに肌トラブルの原因になっているケースがあります。急に寒くなった今シーズンは、裏起毛の肌着やパジャマで、かゆみだけでなく、ニキビが生じる例も急増しています。綿の肌着を下に着ると防ぐことができます」(野村先生)

▼「かゆみぐらい」と放置
かゆみがあるというのは、肌でよくないことが起きているというサインです。

「かゆみは、精神的ストレスになったり、睡眠が浅くなるなど、体調にも影響します。放っておいて悪化すると、肌のダメージが大きくなり治りづらくなることもあります。かゆみが続いたり、ひどくなったりするときは早めに皮膚科を受診しましょう」(野村先生)

寒さが増すにつれ、空気はさらに乾燥してきます。部屋の湿度などにも注意して、肌と健康を健やかに守っていきましょう。

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