小学校における英語教育の実施や、電子教材・オンライン授業の導入の推進など、ここ数年で大きな変革期を迎えている日本の教育。
こうした今日の教育に対して、社会はどのように感じているのだろうか。
世界最大規模の世論調査会社「イプソス」は、日本を含む世界30カ国2万3754人(日本約2000人)を対象に、教育に関する意識調査「教育モニター2024」を実施した。
日本の教育に関する調査結果を、一部抜粋して紹介する。
【調査概要】
調査方法:オンライン調査
調査対象: 世界30カ国23754人(日本2000人)
インドの18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16~74歳
実施日: 2024年6月21日(金)~7月5日(金)
調査機関:イプソス
最も教育に満足している世代は?
日本の教育システムにおける課題意識について世代別で聞いたところ、Z世代では「時代遅れのカリキュラム」、その他の世代では「教員教育が不十分」が最も多い回答となった。
特にベビーブーマー世代では「教員教育が不十分」が45%と高い結果になったのに対し、Z世代の回答では「教員教育が不十分」は27%で、20ポイント近い差がついた。
「あなたの国における教育システムの全体的な質をどう評価しますか?」という質問に対して「良い」と回答した割合は日本全体で19%と、30カ国中24位という結果となった。
「良い」と回答した人の内訳を見てみると、最近まで教育を受けていたZ世代が25%と最も多く、次いでベビーブーマー世代(21%)、X世代(18%)、ミレニアル世代(17%)という順番になった。採用活動が「売り手市場」とも言われている現代では、就職の間口が広がっていることも、教育への満足度や安心感に影響しているのかもしれない。
また、教育の評価基準を4つに分類し、それぞれに同意する人の割合を調べたところ、4つ全てにおいてZ世代の割合が最も大きい結果となった。
「自国の大半の教育機関が十分なリソース施設を備えている」「自国の教育システムは、社会的不均等の緩和に貢献している」に同意したZ世代は半数近くにのぼった。「自国の高等教育や大学のシステムでは、学生たちは将来のキャリアのための準備が十分にできる」「自国における学校のカリキュラムは、学生の将来のキャリアに十分に備えた内容となっている」に同意した割合も、4割近くという結果となった。
教育環境は意外と整備されているのかも
実際に最近まで教育を受けていた世代とその上の世代で、教育に関する問題意識が異なることが明らかになった今回の調査。
イプソス社長の内田俊一さんは「ミレニアル世代より上の世代は、教員への不満を見せていますが、Z世代はそれよりもカリキュラムを時代に沿ったものに変えていってほしいと考えています。また、Z世代は他の世代よりも、現代の教育システムに対して肯定的です」と調査結果を総括した。
さらに「教育を取り巻く環境やその課題に関する報道に日々触れ、その内容からポジティブなイメージを持ちづらい状況があるのかもしれないですが、実際の教育現場は、政策や学校、教員の尽力により、世間一般が抱くイメージよりも、時代に合わせた適切な環境・対応が整備されているということではないでしょうか」という見解を述べた。
リリース元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000122181.html
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
日本の教育は時代遅れ?Z世代の本音が世界調査で明らかに