米スターバックスが9月に新たなCEO(最高経営責任者)としてブライアン・ニコル氏を迎えると発表した。ニコル氏を引き抜くためにスタバが用意した契約は破格で、「最初の1年で150億円超を受け取る可能性」(AP通信)、「リモート勤務OK」(シアトル・タイムズ)などとインセンティブ盛りだくさんな内容になっていると報じられている。
スタバは世界に3万9000店舗超を展開する巨大コーヒーチェーンだ。長引く物価上昇による消費の落ち込みなどから、既存店の売上高が落ち、業績が伸び悩んでいる。7月30日に発表した2024年4〜6月期決算では、既存店の売上高が世界全体で前年同期比3%減り、2四半期続けての減少となっている。
同社は8月13日、2023年3月からCEOを務めてきたラクスマン・ナラシムハン氏について、同日付でCEOを退任したと明らかにした。ナラシムハン氏は取締役からも外れた。ニコル氏が9月9日に就任するまで、レイチェル・ルジェリCFO(最高財務責任者)が暫定的にCEOも兼ねる。
同社は新トップにニコル氏を選んだ理由として、これまでの業績を挙げている。ニコル氏は2018年3月からCEOとして率いてきた大手ファストフードチェーン「チポトレ」の売上高をほぼ2倍にし、利益を7倍近くに増やしたという。これを受け、就任当時に1株6ドル台だったチポトレの株価は、足元では50ドル台で推移している。
ニコル氏はスタバから1000万ドル(約15億円)の現金と7500万ドル(約112億円)分の株式を受け取る。同社が米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類の内容をAP通信が伝えている。株式分については、突然CEOを失うことになるチポトレに取られる「罰金」に相当する額だという。フィナンシャル・タイムズによると、ニコル氏がスタバから受け取る額は、最大1億1300万ドル(約168億円)になる。
ニコル氏がリモート勤務をすることも話題になっている。SECに提出された書類によると、スタバはカリフォルニア州在住のニコル氏のために、同州南部にあるニューポート・ビーチにリモートオフィスを設けるという。
ニコル氏はスタバを通して意気込みについてコメントしている。「この素晴らしい企業のために働ける機会に感謝している」とし、「会社の成長を促し、お客さまたちの『スターバックスエクスペリエンス(体験)』をより強固なものできる可能性を大いに感じており、意欲がみなぎっている」と述べている。
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米スタバ新CEO、「報酬最大150億円超」「リモート勤務」の高待遇。それほど評価されるブライアン・ニコル氏の功績とは