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地方女子の進学の選択肢を広げるために活動する特定非営利活動法人#YourChoiceProjectは7月9日、「県人寮への女子学生受け入れに関する実態調査レポート」を公表した。
県人寮とは、特定の道府県出身の学生が入れる寮のこと。レポートによると、全国35道府県が東京都近郊に52の寮を用意しており、その多くは各道府県の育英会が運営しているという。
首都圏での平均家賃は8万1001円に対し、今回調査対象の52の県人寮の平均家賃は3万2250円と、安価な家賃で住むことができるのが特徴だ。
経済的な理由で首都圏の大学への進学に悩む学生の助けになる県人寮だが、入寮できる人数には大きな男女格差があるようだ。
レポートによると、首都圏に県人寮を設置する35自治体のうち、約半数が男子学生専用の寮しか用意していないという。
首都圏にある52の県人寮のうち、男子学生専用寮が67.3%を占める。受け入れ人数でみると、男子学生の受け入れ人数は合わせて2627人なのに対し、女子学生はわずか689人分しか用意されていない。
なぜ女子学生の受け入れが少ないのか
#YourChoiceProjectは現段階で男子学生のみを受け入れている首都圏の県人寮のうち、17自治体の県人寮24舎に対し聞き取り調査を行い、18舎からの回答を得た。
女子学生受け入れ予定について聞くと、「なし」が16舎、「どちらとも言えない」が2舎で、予定があると回答した寮はゼロだった。
女子学生受け入れのハードルになっていることを聞くと、「水回り等の設備整備ための資金が不足している」など資金面や、「入室管理等のシステムが必要になる」など安全面が理由に上がった。
また、「東京に出る女子学生は裕福な家庭が多いため需要が低い」「入寮希望者の見込みが低い」「設備が古く女子学生は好まない可能性が高い」など、需要の低さも理由として上がった。
#YourChoiceProjectは、「地元外に進学する女子学生が裕福であるように見えるのは、その裏に金銭面のハードルで進学を諦めている女子学生がいるからです」と指摘した。
実際に同団体の過去の調査によると、大学進学のために上京することに抵抗を感じている女子学生のうち、「金銭的に厳しい」ことを理由としてあげた人が2割いたという。
「男子学生と女子学生の間で、首都圏の大学に進学する際にこれだけの機会格差が生じている現状は、明らかに深刻なジェンダーギャップです。ぜひ、女子学生の受け入れを真剣に検討してもらいたいと思います」
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
安い家賃で住める「県人寮」、約7割が男子学生専用。理由は「東京に出る女子学生は裕福な家庭が多いから」?