知ってる?暑さによる「イライラ」や「疲れ」に効く手のツボ。夏の出だし、溜まっていく疲労に要注意

2024/07/09 05:10 ウェザーニュース

ここ数日は、梅雨明けしていないにもかかわらず、危険な暑さが続いています。夏のはじめは体がまだ暑さに慣れていないため、「イライラしやすい」「疲れが取れない」ことがあります。

源保堂鍼灸院(東京都渋谷区)の瀬戸郁保先生に、オススメのツボを教えていただきましょう。

夏のはじめから暑さに耐えられない…

「夏は、海や山へと一年の中でも最も活動的になるかと思いますが、日差しが強く、大量に汗もかくので体力も消耗します。気をつけないと“消耗”の季節になってしまうため、その消耗した分をしっかり補うことが大切になります」(瀬戸先生)

この時季の不調には、ポイントがあるといいます。

「呼吸が浅くなる、暑さがこもる、睡眠不足になるなどの溜まっていく疲労です。夏の出だしは、これを意識して養生することでうまく過ごすことができます」(瀬戸先生)

それぞれに合ったツボを教えていただきましょう。

浅い呼吸によるイライラ、疲れに効くツボ

「気温が高くなると呼吸が浅くなるのは、暑さで心拍数が上がり、暑さと湿気が重なって空気が重くなるのが原因です。東洋医学では、このようなとき身体の中を流れるエネルギーである気が、不足したり乱れていると考えます。

「精霊は、手の甲の小指の骨と薬指の根本をたどった骨の真ん中にあるツボです。威霊は、中指と人差し指の根本をたどった骨の真ん中です。

この2つはよくセットで使うので、呼吸が浅くなっているときは両方を押してみましょう。押しながら気持ちを落ち着かせ、深呼吸をしていくと、やがて呼吸が回復します」(瀬戸先生)

暑さ・熱がこもるイライラによいツボ

「まだ暑さに慣れず汗を十分にかけないときは、熱が体にこもります。この“暑熱”を東洋医学では心臓やそれにつながる血管に入ると考えます。日本の夏は湿気が多いので、さらに熱が滞留してイライラやストレスが溜まります。こもった熱を外に放出しやすくなるツボを使いましょう」(瀬戸先生)

▼通里(つうり)

「通里は手の内側で小指側にあり、手首の内側の一番太いシワを小指側へなぞったときにあるくぼみから、肘に向かって親指1本分下がったところにあるツボです。血管を拡げる働きがあり、熱を外に放出しやすくすることができます。皮膚がやや薄いので、じんわり優しく15秒くらい押しましょう」(瀬戸先生)

睡眠不足・自律神経の乱れによいツボ

「夏の夜は暑くて眠りが浅くなり、体が休めないので自律神経が乱れてイライラしたり、日中に眠くなるなどします。休息モードに切り替えることもできず、さらに悪循環に陥ります。ツボで自律神経をリセットしましょう」(瀬戸先生)

▼璇璣(せんき)

「左右の鎖骨を結んだ中央部のくぼみ(天突/てんとつ)から、親指の幅1本分下がったところにあるツボです。自律神経をリセットするのに効果的で、特に交感神経から副交感神経に切り替えるのに効果的です。

疲れが溜まって怒りっぽくなっているときや、寝不足で逆に目が冴えてしまうときによいです。優しくトントン叩くようにすると、眠りにつきやすく、睡眠が深くなります」(瀬戸先生)

溜まった疲れを取り除くツボ

「夏は陽射しの強さや汗で、体力を使います。睡眠不足も重なると、体力を回復できず消耗し、気づいたら疲れがピークに達していることもあるでしょう。夏の暑熱は心臓にダメージを与えるので、少しでも軽減できるツボを使いましょう」(瀬戸先生)

▼労宮(ろうきゅう)

「手のひらの中央にあるツボで、手を軽く握ったとき中指の当たるあたりです。暑熱で疲れた心臓の負担を軽減し、身体の疲れだけではなく、心のストレスも取り除くことができます。深呼吸しながら、ゆっくり押してゆっくり放しましょう」(瀬戸先生)

これからますます暑さは厳しくなってきます。
「明るいイメージの夏は消耗の季節でもあるので、ツボを使って養生するほか、水分はしっかり補充しましょう。トマト、きゅうり、スイカといった夏の食べ物もほどよく取り入れ、身体に涼を呼び込んでほしいと思います」(瀬戸先生)

ちょっとした不調を感じたらその段階で養生して、本格的な夏を元気に乗り切りましょう。
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