七夕だけじゃない。7月に注目の天体イベントは?【一覧】流星群、土星食の出現はいつ?

2024/07/01 15:00 ウェザーニュース

7月は夜空に土星・火星・木星が姿を現し、月との接近も楽しめます。七夕やみずがめ座δ南流星群の出現もあるため、夜空に注目です。晴れた日の夜は天体観測をお楽しみください。

7月は未明から明け方に、東の空で「火星」と「木星」を見ることができます。そばにはおうし座の1等星「アルデバラン」や、星の集まりである「すばる(プレアデス星団)」の姿もあって、東の空が賑わいそうです。

7月はじめには細い月も東の空に現れます。2日(火)未明から明け方には月が火星に接近し、3日(水)未明から明け方には月が木星やすばる(プレアデス星団)に接近するため注目です。

▼昇る時刻(東京)
2日(火) 火星 1:07 木星 2:20 月 0:55 太陽 4:29
3日(水) 火星 1:05 木星 2:59 月 2:17 太陽 4:30

月末に再び月が火星と木星に接近

月は約27日の周期で天球上を1周して、7月末には再び未明から明け方の東の空に姿を現します。

30日(火)には細い月がすばる(プレアデス星団)に大接近。その後、31日(水)には再び火星と木星に接近します。月との共演で一層賑わう様子をお楽しみください。

▼昇る時刻(東京)
30日(火) 火星 0:21 木星 0:51 月 前日23:33 太陽 4:47
31日(水) 火星 0:19 木星 0:48 月 0:16 太陽 4:48

7月7日は“七夕”

2024年7月7日 21時頃(東京)

7月7日(日)は「七夕」。伝説では年に一度、「おりひめ星(こと座の一等星ベガ)」と「ひこ星(わし座の一等星アルタイル)」が、天の川を渡って会うことのできる特別な日です。

夏の大三角を形作る「おりひめ星」と「ひこ星」は、日が沈む頃にはすでに東の空に現れており、未明には南の空高くに昇ります。

短冊に願い事を書いたら、おりひめ星とひこ星を探して空を見上げてみてください。

7月の満月、アメリカでは“Buck Moon”

農事暦における満月の呼び方

7月の月は、21日(日)19時17分頃に満月の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。

農事暦(The Old Farmer’s Almanac)によると、アメリカでは7月の満月を「バックムーン(Buck Moon/男鹿月)」と呼ぶことがあるそうです。

7月は雄ジカ(=バック)のツノが生え変わる時期であることから、この名前がつけられたと言われています。

月が土星に大接近

7月は夜更けになると東の空に「土星」が姿を現し、未明から明け方には南の空高くに昇ります。まわりに輝く明るい星は、みなみのうお座の1等星「フォーマルハウト」のみで、明るい土星は目につきそうです。

7月24日(水)夜から25日(木)明け方には、この土星に月が大接近します。満月から3日ほど過ぎたばかりの明るい月と、土星の共演をお楽しみください。

▼24日(水)に昇る時刻(東京)
土星 21:08 月 21:00 太陽 翌4:44

朝に日本全国で“土星食”

25日(木)は月と土星がどんどん近づいていき、日の出のあとには土星が月に隠される「土星食」が起こります。今回は日本全国で土星食を見ることができます。日本の広範囲で土星食が見られるのは、2014年9月28日以来で10年ぶりです。

土星食は、土星が月に潜入・出現する時刻、月の高度、月の縁に対してどこに見えるかは、観察場所によって異なります。

今回は日の出後の現象となるため、見るには天体望遠鏡が必要です。土星の出現時の高度は15度前後とかなり低いため、西南西の空が開けたところからお楽しみください。

▼潜入・出現時刻
札幌 潜入 6:27 出現 7:28
仙台 潜入 6:29 出現 7:26
東京 潜入 6:30 出現 7:24
大阪 潜入 6:26 出現 7:22
福岡 潜入 6:20 出現 7:20
那覇 潜入 6:21 出現 7:06

今年は12月8日(日)の宵にも、日本の広範囲で土星食が起こります。

みずがめ座δ南流星群が極大

2024年7月29日 22時頃(東京)
みずがめ座δ(デルタ)南流星群が、7月30日(火)9時頃に活動の極大を迎える予想です。極大時刻が朝のため、29日(月)夜から30日(火)明け方が見頃となります。

放射点(※)は東京で20時頃から空に昇り始めて、みずがめ座δ(デルタ)南流星群が見られるようになります。

深夜になると、28日(日)に下弦を迎えたばかりの月が東の空に昇ってきます。月を直接目に入れないようにして、空を見上げてみてください。

同じ日にはやぎ座α流星群も活動の極大を迎え、ペルセウス座流星群を含め複数の流星群も活動しています。アストロアーツによると、空の条件が良いところでは1時間あたり10個ほどの流星を見られるチャンスがあるとのことです。

晴れたら空を見上げて、流星観測をお楽しみください。

※放射点:流れ星(群流星)が飛び出してくるように見える天球上の点で、流星群に属する流れ星はこの点を中心に放射状に流れます。

出典・参考
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers’ Almanac

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