アメリカのバイデン大統領は5月8日、イスラエルがガザ南部の都市ラファに侵攻した場合、兵器の供給を停止すると述べた。
バイデン大統領が、イスラエルの軍事支援に条件をつけたのは初めてだ。
バイデン大統領はCNNのインタビューで、「人口が集中している居住地を狙った爆弾やその他の攻撃の結果、ガザでは民間人が殺されている」と述べて、2023年10月7日にハマスとイスラエルの紛争が勃発して以降、ガザ地区で何万人ものパレスチナ市民が犠牲になったことを認めた。
「私は(イスラエル側に)もしラファに侵攻すれば、長年ラファや他の都市に対して使用されてきた武器を提供するつもりはないとはっきり伝えた」
バイデン大統領はこれまでイスラエルへの揺るぎない支持を表明し、武器供与を続けてきた。
しかし、イスラエルのガザに対する攻撃には「戦争犯罪」や「ジェノサイド」という批判が起きており、バイデン大統領は民主党議員から、軍事支援に条件をつけるよう強い圧力を受けている。
バイデン大統領は武器供給の停止に触れた一方で、「我々はイスラエルの安全保障から手を引いているのではない」と述べ、防空システム「アイアンドーム」を含め、防衛面での支援を続ける意向を示した。
「イスラエルが安全を確保し続けられるよう、アイアンドームや中東からの攻撃への対処に関わるつもりだ。(中略)しかし、武器や砲弾を供給するつもりはない」
ラファには約100万人のパレスチナ人が避難している。人道支援団体はイスラエルがラファに全面的に侵攻すれば、さらに多くの市民が犠牲になると警鐘を鳴らしている。
バイデン大統領は6日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談して、ラファへの大規模攻撃を行わないよう求めた。
CNNのインタビューで「私はビビ(ネタニヤフ首相)と戦時内閣にはっきり言った。これらの人口集中地区を攻撃するのであれば、我々の支援は得られないと」と明かしている。
イスラエルによるラファへの全面侵攻計画を受けて、バイデン政権がイスラエルへの爆弾の出荷を一時停止したと5月5日に報じられた。
オースティン国防長官は8日の議会公聴会でこの報道内容を認め、3500発の爆弾の出荷を停止したと認めた。
この決定に一部の共和党議員は反発しており、リンジー・グラハム上院議員は「馬鹿げている。イスラエルに戦争に必要なものを与えるべきだ。彼らは負けるわけにはいかない。これは広島と長崎をさらに大きくしたものだ」と発言した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
バイデン大統領、イスラエルがラファに侵攻した場合「武器供給を停止する」と明言