「私のパーティーは勉強会だ」⇒「もうしない」と岸田首相。政治資金パーティーを繰り返していた【政倫審】

岸田文雄首相(右)と野田佳彦元首相

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自民党の主要派閥が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していた問題を審議する、衆院の政治倫理審査会(政倫審)が2月29日開かれた。岸田文雄首相が自民党総裁として出席し、一連の事件について弁明した。

政倫審はロッキード事件をきっかけに1985年に設置された。衆院では過去に9回開かれているが、現役の首相が疑惑の当事者として出席し、弁明を行うのは今回が初めてだ。

岸田首相はもっぱら、安倍派(清和会)や二階派(志帥会)、自身が率いていた岸田派(宏池会)の問題について説明したが、審議では岸田首相が首相就任後も政治資金パーティーを繰り返し開いていたことの是非が問われた。

大臣規範」では、大臣は政治資金パーティーの開催を自粛することが定められているからだ。

岸田首相は「2022年に7回開催」

この問題を取り上げたのは野田佳彦元首相。岸田首相が2022年には7回もパーティーを開催したと指摘。そのパーティーを「勉強会」と称していることについて、「一晩で3千万円も収入を得ている。勉強会というのはごまかしだ」と迫った。

これに対し、岸田首相は「私のパーティーは総理就任前から続けている勉強会を続けているものだ。大臣規範にある『国民の疑念を招く』ものにはあたらないと判断した」と述べた。

野田氏は質問を重ねた。「大臣規範には反しないというが、内閣総理大臣としての心の中の規範はないのか」。さらに、首相がパーティーを開いていた時期には、ロシアによるウクライナ侵攻が緊迫化し、歴史的な円安が進み、北海道・知床半島沖では遊覧船沈没事故も起きていたと指摘。「内なる規範はないんですか、内閣総理大臣としての」とたたみかけた。

岸田首相は「指摘を受けていることについてしっかり受け止めて、判断していく」と応じ、今後については「在任中は(パーティーを)やることはないと考えている」と述べた。

「疑惑を招くものではない」と首相

大臣規範は2001年に閣議決定され、その後幾度か改正された。総理大臣を含む国務大臣は「公私混淆を断ち、職務に関して廉潔性を保持することとする」と定め、パーティーについては「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する 」としている。

岸田首相は自身が繰り返していたパーティーについては、「疑惑を招くようなものではないと判断していたことには変わりない」と重ねて強調した。

自民党派閥の裏金づくりについては、安倍派の場合は「遅くとも十数年前から行われていたことが明らかになった」と説明した一方で、党の聞き取り調査では「議員個人が受領した例は把握していない」「政治活動費以外、違法な使途に使用した例も把握していない」と述べた。

二階派についても政治活動費以外の使用などはなかったと説明。岸田派については、会計担当者による「事務処理上の粗漏によるものだ」と述べた。

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