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イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門が、世界の国々の「民主主義」の状況を10点満点で採点する「民主主義指数」の2023年版を発表した。
調査部門EIU(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)の「民主主義指数」は、60に上る指標のスコアを五つのカテゴリーに分類して集計。その平均値を総合スコアとしている。対象は167の国と地域。2023年版は24年2月15日に発表された。
ランキング1位はノルウェーで、総合スコアは9.81だった。最下位はアフガニスタンで0.26。日本の総合スコアは8.40で、世界16位にランクされた。
なお、アジア最上位は台湾で、世界の中では10位。韓国は22位、アメリカは29位、ロシアは144位、中国は148位、北朝鮮は165位だった。
上位5カ国のうち4カ国を北欧諸国(ノルウェー、アイスランド、スウェーデン、フィンランド)が占めた。反対に、最下位からの3カ国(アフガニスタン、ミャンマー、北朝鮮)はいずれもアジアの国々となった。
評価で用いたカテゴリーは、次の五つだ。
・選挙プロセスと多元主義
・政府の機能度
・政治参加
・政治文化
・市民の自由
日本の数字をみると、「選挙プロセス」や「市民の自由」は9点台だったが、「政治参加」は6.67で比較的低かった。
これに対し、台湾は「選挙プロセス」が10点満点、「政治参加」も7.78で日本より高くなっている。
EIUは総合スコアに基づき、167の国・地域を、完全民主主義(総合スコア10〜8)、欠陥民主主義(8〜6)、混合体制(6〜4)、独裁体制(4〜0)に4分類した。
「完全民主主義」に入ったのは24の国・地域で、世界人口に占める割合は7.8%にとどまっている。
東アジアの台湾、日本、韓国は総合スコアが8点を超えて「完全民主主義」に入った。
EIUは日本について、「アジアの中で最も安定性の高い民主主義国」だと評価。直近の政治情勢については、「長期政権を維持してきた自民党が下野の危機に直面する可能性もある。しかし同国の民主主義の根幹が揺らぐことはないだろう」とコメントしている。
EIUのリポートは、世界全体をみると「2023年は民主主義にとって幸運な年ではなかった」と位置づけている。総合スコアの平均は5.29から5.23に低下。指数の発表を始めた2006年以来最低の記録となったという。
世界⼈⼝のほぼ半数、45.4%は「何らかの⺠主主義」のもとで暮らしているが、「完全⺠主主義」に住む⼈は7.8%で、2015年の8.9%から減少した。世界⼈⼝の3分の1以上は権威主義的統治下で⽣活しており、その割合は徐々に増えているとしている。
24年には世界人口81億人の半分以上を占める国々で選挙があり、「普通選挙導入以来、最大の選挙の年になる」という。
リポートでは「選挙は民主主義の条件だが、それだけでは十分とは言えない」と指摘。アメリカの大統領選については、予想通りバイデン大統領とトランプ前大統領の対決となった場合、「かつて⺠主主義の灯台であった国は、さらに分裂と幻滅に陥る可能性が⾼い」と予測している。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
世界の「民主主義指数」日本は何位? 上位は北欧諸国、2024年は「選挙の年」になる