乾燥肌には保湿! と思いがちですが、うるおいを失わないことにも注意すべきだといいます。皮膚科専門医に乾燥肌を防ぐためのお風呂の入り方を教えていただきましょう。
肌のかさつきやかゆみが気になるという人は、入浴の習慣を見直した方がいいかもしれません。
「冬は寒さのために、熱めのお湯で長湯になりがちです。しかし、その習慣が気づかぬうちにうるおいを失わせ、肌の乾燥を招いているかもしれません」と話すのは、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生です。
ゆっくりお湯に浸かることは、体によいというイメージがあります。
「もちろん、湯船に浸かることは体を芯から温め、血行改善やリラックスするのに役立ちます。問題は入り方によって、敏感肌や乾燥肌の刺激となってしまうことです。
例えば、湯温が42℃を超えると肌のかゆみセンサーが働いて、お風呂上がりにかゆくなったり、赤くなる原因になる可能性があります。また、適温であっても、あまり長湯してしまうと肌のうるおい成分が流出し、乾燥肌などにつながってしまいます」(野村先生)
入り方によっては肌の負担となってしまうのですね。
「健康な肌はきめ細かく整っていて、体から大切な水分が蒸発するのを防いだり、外部の刺激から守るバリア機能を果たしています。正常に肌が働くために大切なのが、肌のうるおいです。
肌は、ターンオーバーにより約4週間で生まれ変わります。一番外側になる角質層は、皮脂膜やセラミド、天然保湿因子などの保湿成分によりうるおいが保たれていて、きめ細かくすべすべした状態となっています。
ところが、保湿成分が不足したり皮脂が過剰に除去されてしまうと、水分が蒸発し、角質層がはがれたり乱れることで、外部の刺激に弱くなってしまうのです。
寒い冬の間は、つい熱めのお湯に入ったり長湯をしがちで、そのために肌のうるおいを失っているかもしれません。カサカサしたり、かゆみを感じると無意識にかいてしまい、さらに肌を傷つける悪循環に陥ってしまうこともあります」(野村先生)
ポイントになるのは、湯温と時間だといいます。
「湯船のお湯は、40℃までに設定します。特に、お風呂上がりに肌の乾燥やかゆみを感じやすい人は、低めにした方がいいでしょう。浸かる時間は、10〜15分程度に。肌がほてって赤くならないくらいを目安にします。
また、シャワーの温度も40℃程度にしましょう。『それでは寒い』という人は、浴室の室温が低いのかもしれません。浴室暖房を使ったり、入浴する前に早めに湯船の蓋を外しておくなど、あらかじめ浴室を暖かくしておくといいでしょう」(野村先生)
洗い方やお風呂上がりにも、注意しましょう。
「汚れを落とすためにはタオルで強くゴシゴシと洗いがちですが、こうした洗い方も避けましょう。ナイロンなどの硬い素材でゴシゴシと洗うと肌の負担となりますので、低刺激の石けん・ボディソープを泡立てて手で優しく洗い、タオルを使うときはガーゼ素材などやわらかいものを選びましょう。
肌の乾燥が気になるときは、石けん・ボディソープの洗浄力が強すぎないか、見直してみましょう。また、塩素除去・保湿成分のある入浴剤を使ってみてもよいでしょう。
お風呂上がりは、清潔なタオルで水分をきちんと拭いて、すみやかに肌に合う保湿ローションなどで保湿ケアをします」(野村先生)
春になると、肌はさらに花粉などのアレルギー物質や黄砂、ほこりなどにもさらされやすくなります。健康な肌をキープするためにも、入浴法を見直してみませんか。
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