パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエルの攻撃がジェノサイド条約に違反するなどとして南アフリカが提訴していたことを巡り、国際司法裁判所(ICJ)は1月26日、ガザ地区の住民のジェノサイド(大量虐殺)を防ぐためにあらゆる手段を講じるなどの暫定的な措置をイスラエルに命じた。南アフリカ側が求めていた戦闘の即時停止は盛り込まれなかった。
南アフリカは2023年12月29日、イスラエルによるガザの攻撃が、「ジェノサイド罪の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」の集団殺害罪にあたるとして、ICJに提訴した。
南アフリカ側は1月11日の審理で、イスラエルの攻撃は、「ガザでのパレスチナ人の大量虐殺」と「ガザ市民に対する深刻な身体的・精神的被害」という2つの点からジェノサイドにあたると訴えていた。
これに対し、イスラエル側は軍事作戦はイスラム組織・ハマスから国を守る自衛のための戦いだとして、正当性を主張していた。
ICJは26日、暫定的な措置として、
・ガザ地区の住民に対するジェノサイドを実行・扇動する行為を防止するためにあらゆる措置を講ずること
・ガザ地区のパレスチナ人たちに対する人道支援の提供を可能にするため、迅速で効果的な措置を講ずること
・講じられた全ての措置に関して、1カ月以内にICJに報告すること
などをイスラエルに命じた。ただ、ICJには強制的な執行力はなく、専門家はイスラエルがICJが命じた暫定措置に直ちに応じる可能性はほとんどないと指摘する。
ガザ保健省の発表によると、イスラエル軍による軍事作戦の開始後、犠牲者数は2万5000人を超えた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「ジェノサイド防止、あらゆる措置を」イスラエルに国際司法裁が命じる