冬は暖房器具や加湿器を使うため、室内の暖かく湿った空気が冷たい窓ガラスに触れ、結露が生じやすくなります。結露を放置するとサッシにカビが生えます。こうしたカビは避けることができるのです。
おそうじ本舗の技術アドバイザー・尾崎真さんに、窓ガラスのカビ対策や結露予防の裏ワザを教えていただきました。
カビ対策の切り札に片栗粉?
冬はどうしても窓ガラスが結露します。結露が空気中に舞うホコリなどを取り込むと、サッシのレールやゴムパッキンに頑固な黒カビが生えてきます。水拭きだけでは落ちない黒カビは、どうすれば落とすことができるのでしょうか。
「消毒用アルコールはカビの除菌には効果がありますが、漂白作用はないので黒カビの色素を落とすことはできません。黒カビを退治するには、カビを消毒・殺菌し、色素を分解・漂白する塩素系漂白剤(キッチンブリーチなど)を使ってください」(尾崎さん)
液体の漂白剤は付けてもすぐに流れてしまい、アルミの窓枠を変色させたり腐食させたりします。大丈夫でしょうか。
「そこで役立つのが、片栗粉を使う方法です。キッチンブリーチなどと片栗粉を1対1の分量で混ぜ合わせ、ペースト状に練り上げてください。それを使い捨てスプーンか割り箸で黒カビの上にかぶせるようにのせるのです。5分ほど待って冷水シャワーで流すと、黒カビを取り除くことができます」(尾崎さん)
塩素系漂白剤は危険もあるようです。何に注意すればいいでしょうか。
「酸性洗剤(クエン酸、酢酸、トイレ用洗剤など)と混ぜると危険なので、近くに置かないようにしてください。作業時は必ずマスクとゴム手袋を使用してください。
最後は拭き取ってもいいのですが、洗い流す際はお湯を使わないこと。片栗粉は温めると粘度を増して落ちにくくなります。あまり長く放置するとパッキンを傷めるので、放置時間は5分ほどが最適です」(尾崎さん)
結露を予防する意外なアイテムとは?
そもそも窓ガラスが結露しなければ、サッシのレールやゴムパッキンに黒カビが生えることもないはずです。結露の予防法はあるのでしょうか。
「サッシ窓の結露を抑える裏ワザをご紹介しましょう。結露は乾拭きしている人が多いと思いますが、乾拭きではなく食器用洗剤を薄めて窓を拭けばいいのです。
まず、バケツに水と食器用洗剤を入れ、よく混ぜてください。濃度は水1カップ(200㏄)に対して食器用洗剤大さじ1杯強です。
これに雑巾を入れて固く絞り、窓ガラスを拭いていきます。ガラスに少し泡が付きますが、時間を置くと消えます。自然乾燥させれば完了です」(尾崎さん)
食器用の中性洗剤でなぜ結露が防げるのでしょうか。尾崎さんの解説を聞きましょう。
「水蒸気がまとまってくっついた水滴は、表面張力によって窓ガラスにぶらさがっています。食器用洗剤には“界面活性剤”が含まれていて、これが塗られることで表面張力を低下させ、水蒸気が丸まらず下に落ちるのです。
サッシのレールの下にはタオルを敷いて、水分を吸い取ってください。一度行うと5日間ぐらい効果が持続します」(尾崎さん)
窓ガラスのカビ対策や結露予防、理解していただけたでしょうか。年末に大掃除ができなかった方は、この機会にチャレンジしてはいかがでしょう。
取材協力
おそうじ本舗
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