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お年玉をもらった子供に「無駄遣いしちゃダメだよ」「貯めなさい」とだけ言っていませんか?2024年のお正月は「よく考えて使いなさい」に言い換えてみてはどうでしょう。
金融教育に力を入れている経済アナリストの森永康平さんは「親の価値観で無駄遣いと決めると子供は何も考えられなくなる。無駄遣いするのも教育で、少額のうちに気づくのはいいことだ」と話します。
子供とお金について話す時のコツを聞きました。
ついつい言ってしまう「無駄遣いしちゃダメだよ」
ーーまもなくお年玉の季節です。子供とお金について話すきっかけにできないでしょうか。
家庭でお金についてオープンに話すべきだと考えています。お年玉は1年に1回だけ結構な金額を子供に渡すので、スタートするにはいい機会です。
深い意味はなく、お金を渡すこととセットで「無駄遣いしちゃダメだよ」と言っている親が多いのではないでしょうか。今回は「よく考えて使いなさい」という声掛けにしてみませんか。子供たちはこれまでずっと「貯めなさい」「無駄遣いするな」と言われ続けてきているので、放っておいても基本的には貯めます。よく考えて使いなさいと言われることで子供の意識は変わります。
親の価値観で何が無駄遣いかを決めると、子供は何も考えられなくなってしまいます。本当に無駄かどうかを子供自身に考えさせる方がいいです。
ーー子供に失敗させたくないと考える親は多いです。
僕にも3人の子供がいますが、うちの場合は基本的にお金をあげた以上は口を出しません。もちろん使った結果、無駄だったと反省したり、悲しくなったりするところは何度か見ています。
例を挙げると、UFOキャッチャーです。子供が陳列されたぬいぐるみが欲しくなり、自分のお金で1回だけ挑戦することになりました。でも取れなくて100円が手元からなくなるわけです。ゲームコーナーの後に立ち寄ったお菓子売り場で欲しいお菓子があって「さっきの100円があれば買えていた。もったいなかった」と思うのです。UFOキャッチャーで100円使って何も手にしていない自分と、お金を払えば確実に手に入っていたお菓子とを見比べて考えるわけです。早いうちに小さめのことで気づいていくことが大事だと思います。
後悔していそうなときは見逃さず、フォローを
ーー子供が後悔していそうなときはどう接しますか。
必ずコミュニケーションをとるようにしています。子供が自分のお金で買ったおもちゃをその後どうしているかなど僕は目ざとく見ています。買った直後はニコニコ遊んでいたのに、おもちゃ箱に放置するようになると「あれ、もう遊んでないんだ」と声をかけます。最初はまだ遊んでると言い訳のように言いますが、次に欲しい物ができた時に「これはどうせまた使わなくなるからいらない」と選択するようになります。
例えば、月々のお小遣いが100円だとすると、お菓子を買うために使う、使わないの2択しかありません。ところが、お年玉で合計1万円もらうとなると、5000円だけ使って残り5000円は貯める、2000円の物を5つ買う、全部貯めるなど選択の幅が広がります。普段よりも深くお金の使い方について話せます。
僕たちはお金なしでは生きていけません。子供でさえ、お小遣いやお年玉という形でお金に触れています。お金についての知識をつけさせていくことは大切なことです。
金融教育と意気込まず、期待しすぎない
ーーお金の知識をつけさせていくために、親が日頃からできることとは。
ポイントは金融教育と意気込まず、お金が登場する瞬間にひたすら立ち会わせること。スーパーでの支払いも、交通系ICへのチャージも僕はすべて見せます。スーパーでは現金で払うこともあれば、カードで払うこともある。それらの違いが気になって質問してきたら、教えます。
子供から本質を突いた質問をされることもあります。僕も100%の回答ができたことはほとんどありません。その時は一緒に調べればいいのです。わからないと思われたくないというプライドからその機会を生かせないのは最悪です。
ーー親とお金の話をしてもいいと思わせることが大事なのですね。
会話をしたからといって、子供が急に金融に目覚めるなんてことはありません。反応が薄くてもそんなものだと気楽に捉えてください。親とお金の話をしてもいいんだと思わせられれば十分です。期待し過ぎてはいけません。
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