11月30日からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている、気候変動対策について話し合う「気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)」。
会期は12月12日までだったが、化石燃料の扱いについて合意が得られず、会期が延長した。
当初の案で盛り込まれていた化石燃料の「段階的な廃止」の表現が消え、「削減」に留まり、全体として後退した内容に一部の政府代表者やNGOから怒りの声が上がった。
しかし、気候変動の影響はすでに世界中で起きており、気温上昇を抑えるために残された時間は少ない。COP28の会場に集まった人々が語った、世界の現状を動画とともにお届けする。
西太平洋にある小さな島国のパラオ共和国出身のケニー・ケリーさん。「パラオでは、海面上昇、海洋酸性化、魚類資源問題などの気候変動の直面しています」と訴えた。
「特に最北端、最南端の地域の島々は小さく、残念ながら、今後10年から15年の間に、私たちのいくつかの島は完全に水に覆われ、人が住めなくなってしまうでしょう」
韓国環境研究所のチャン・フン・リー所長は、「本当に深刻なダメージを受けました」と語った。
「今年、我々は記録的に最も暑い年を経験しました。洪水や地すべりなどが発生し、残念ながら、多くの命が失われました」
GWEC(世界風力エネルギー協議会)で洋上風力のグローバル責任者を務めるレベッカ・ウィリアムスさんは、「私たちはこれまで以上に極端な気象事象を目の当たりにしている」と指摘した。
「洪水や気温の上昇がよく見られますし、イギリスでは記録的に最も湿った秋を経験しました。非常に湿っていて、嵐も多くみられました。例えばインドなど、他のGWECが活動している国々でも多くの洪水が発生しています。最近では他の国々でも森林火災が発生し、非常に危険な状況に直面しており、緊急性が高いと言えます」
マレーシアのテクノロジー関連の大学で教授を務めるホ・チン・シオンさんは、「今年は本当に大変な年でした」と話した。
「異常気象としては、暑くて湿っていました。湿っているということは、洪水も意味します。洪水はマレーシアで最も直面する災害の一つです。特に今年と去年は。洪水が起こると、人命の喪失や財産が失われてしまう。そして、農地は洪水のために破壊されるかもしれません」
COP28では、世界全体の気候変動対策の進捗具合を点検する「グローバルストックテイク」が初めて実施されたが、現在の各国の対策ではパリ協定で合意した「産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を1.5℃に抑える目標」を達成することはほぼ不可能なことがわかっており、より野心的な目標と行動が求められている。
ーーーーーーーーーー
このコンテンツは、制作費の一部を一般社団法人Media is Hopeが負担したコラボ企画です。執筆・編集は独自に行っています。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「島が沈むかも…」気候変動によって、世界で何が起きている?COP28に集まった人々が語ったこと【動画】