津波は高さ30センチでも容易く流される。津波注意報を侮ってはいけない【映像 / 津波防災の日】

津波転倒実験の動画

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11月5日は「津波防災の日」「世界津波の日」。

2011年3月11日に起きた東日本大震災では、津波によって多くの人が犠牲となりました。

津波を侮ってはいけません。例え規模が小さく思えても、想像を遥かに上回る衝撃があります。

その恐ろしさが伝わる映像を、港湾空港技術研究所(神奈川県横須賀市)が公開しています。どの程度の津波で人が流されるのかを調べるために行った、転倒実験の様子です。

映像提供:港湾空港技術研究所

動画には、人工的に津波を発生させることができる「大規模波動地盤総合水路」での実験シーンが映っています。

津波の高さは大人の膝丈程度ですが、ロープにつかまった人が波の威力に耐えきれずに一気に押し流され、転倒しています。大人でも立つのが困難で容易く流されてしまう強い衝撃を伴う様子が伝わってきます。

この津波の高さは約30センチほどです。

津波注意報(予想高0.2m以上1m以下)の発表基準のほぼ下限の高さです。

港湾空港技術研究所は、この実験について「津波が陸上に昇ってきたときの力の強さを調べています。津波や陸上の地形によって、速さは大きく変化するので、30センチの津波の高でいつもこのようになるわけではありませんが、比較的厳しい条件ですと、このように流されます」とハフポスト日本版に説明しています。

30センチ程度の津波に見舞われたら、どれほどの衝撃や影響があるのでしょうか。

港湾空港技術研究所の担当者は「体重によって耐えられる津波の高さが変わってくる」と前置きした上で、次のように話します。

「30センチの津波を作用させた際に、津波の速さが秒速4メートルほどになり、この条件だと90キロの体重の人でも立っていられません」

「子供や女性は体重が軽いため、20〜30センチの津波で流される可能性があります」

万が一避難に間に合わず、30センチの津波が押し寄せてきたら「高いところに逃げるのが一番良い」と伝えています。

津波警報と津波注意報、違いは?

気象庁が発表する津波警報・注意報には、「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」の3つの種類があります。どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの発表基準や想定される被害、とるべき行動について、気象庁は次のように説明しています

大津波警報・・・予想される津波の高さが高いところで3mを超える場合。巨大な津波が襲い、木造家屋が全壊・流失し、人は津波による流れに巻き込まれます。沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。

津波警報・・・予想される津波の高さが高いところで1mを超え、3m以下の場合。標高の低いところでは津波が襲い、浸水被害が発生します。人は津波による流れに巻き込まれます。沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。

津波注意報・・・予想される津波の高さが高いところで0.2m以上、1m以下の場合であって、津波による災害のおそれがある場合。海の中では人は速い流れに巻き込まれ、また、養殖いかだが流失し小型船舶が転覆します。海の中にいる人はただちに海から上がって、海岸から離れてください。

津波警報・注意報と避難のポイントとして、気象庁は以下のような点を挙げています。

・震源が陸地に近いと津波警報・注意報が津波の襲来に間に合わないことがあります。強い揺れや弱くても長い揺れを感じたときは、すぐに避難を開始しましょう。

・津波の高さを「巨大」と予想する大津波警報が発表された場合は、東日本大震災のような巨大な津波が襲うおそれがあります。直ちにできる限りの避難をしましょう。

・津波は沿岸の地形等の影響により、局所的に予想より高くなる場合があります。ここなら安心と思わず、より高い場所を目指して避難しましょう。

・津波は長い時間くり返し襲ってきます。津波警報・注意報が解除されるまでは、避難を続けましょう。

津波のピクトグラムも

避難する前にぜひ知っておきたい、津波に関するピクトグラムもあります。

津波来襲の危険が想定される場所に設置されている『津波注意』、津波から安全に避難できる場所(高台)という情報を伝える『津波避難場所』、津波から安全に避難できるビルであることを示す『津波避難ビル』。

これらの記号も、避難時の参考にしてください。

津波に関するピクトグラム

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津波は高さ30センチでも容易く流される。津波注意報を侮ってはいけない【映像 / 津波防災の日】