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ガザは子どもたちの墓場になっている――ユニセフ(国連児童基金)は10月31日、パレスチナ・ガザ地区で、多くの子どもの命が急速なスピードで犠牲になっていると訴えた。
イスラエル軍が10月7日にハマスの攻撃に対する報復を開始して以降、ガザ地区ではこれまでに9000人以上の死亡が確認されている。ユニセフによると、そのうち子どもの犠牲者は3500人を超えており、死者数は日々著しく増加している。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、この死者数とは別に1000人もの子どもたちが行方不明になっており、がれきの下で動けないもしくは亡くなっている可能性がある。
ユニセフ広報官のジェームズ・エルダー氏は10月31日の国連定例記者会見で「ガザは、子どもたちの墓場と化しています。そこは、人々にとって生き地獄となっています」と訴えた。
ガザでは、爆弾や迫撃砲などの危険に加えて、安全な飲料水が枯渇した状態で、乳幼児は脱水症状で命を落とす恐れがあるという。
ガザのユニセフスタッフの一人は、「周りの何人もの子どもたちが、たったコップ1杯のきれいな水を必死に求めている」とエルダー氏に話したという。
攻撃のトラウマも子どもたちを苦しめている。このスタッフの4歳の子どもは、ストレスと恐怖から自傷行為に及んでいるものの、「生かすことに必死でメンタルヘルスのことまで考える余裕はない」状態だという。
ガザで暮らす人々と電話で話したという国連事務次長(人道問題担当)のマーティン・グリフィス氏も、「8歳の子どもに、死にたくないと言われ、無力さを感じずにはいられなかった」と10月31日にXに投稿している。
子ども支援専門の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は、イスラエルの攻撃開始から3週間でガザで殺された子どもの数は、2019年以降に世界中の紛争地域で1年間に殺害された数を上回ったと発表した。
同団体パレスチナ事務所長のジェイソン・リー氏は、ガザの民間人死者の5人に2人は子どもたちであり、「現在、10分に1人の割合で子どもが殺されている状況です」とワシントンポストに述べている。
こういった中で、イスラエル軍はガザ北部にあるジャバリヤ難民キャンプを10月31日から3日連続で攻撃し、多くの市民が犠牲になった。
市民を無差別に殺害するイスラエルの攻撃は、国連や人権団体などから強く批判されている。
国連の専門家グループは11月2日、「我々は、パレスチナの人々が重大な大量虐殺の危険にさらされていると引き続き確信している」と声明で発表。
「イスラエルの同盟国も責任を負っており、その破滅的な一連の行動を防ぐために今すぐ行動しなければならない」と述べたほか、難民キャンプへの攻撃を国際法違反で戦争犯罪だと指摘し、即時停戦を求めた。
ユニセフ広報のエルダー氏は「もし、停戦も、水も、医薬品も、拉致された子どもたちの解放もなければ?そうなれば、罪のない子どもたちを苦しめる、さらに大きな恐怖へと突き進むことになるでしょう」と述べている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ガザは「子どもたちの墓場」になっている。「10分に1人の割合で殺されている」