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オーストリアのスタートアップ企業「Revo Foods」が9月、3Dプリントで製造された代替サーモンフィレの販売を開始した。
3Dプリントで製造された食品がスーパーで販売されるのは世界初だという。
この代替サーモンはヴィーガンで、糸状菌からつくられる代替プロテインであるマイコプロテインが主原料だ。マイコプロテインは肉のような食感があり、栄養価が高い。従来の養殖魚に比べると、生産過程で消費する資源が少なく、地球環境にも優しいというのが特徴だという。
「Revo Foods」は3Dプリント食品を大量に生産できるシステムを開発。3Dプリンターで脂肪を繊維状のタンパク質に組み込む新たな技術を生み出し、魚の切り身のフレーク感とジューシーさがある代替シーフードを実現させた。
同社CEOのRobin Simsa氏はプレスリリースで、「産業規模の3Dプリント食品という画期的な節目に到達したことで、顧客のニーズにピンポイントで応えられる食品を作ることができる創造的な食品革命の時代に突入しつつあります。ただ代替品となるヴィーガン製品を作っているのではなく、食の未来そのものを創っているのです」と述べた。
気になる味は…?
同社が公開した試食イベントの動画では、「おいしい」「代替サーモンのイベントだと知らなければ、本物サーモンだと思った」などといった声が聞かれ、サーモンの再現度はかなり高そうだ。
国連食糧農業機関(FAO)によると、約3割の水産資源が過剰に漁獲されている状態にあり、年々増加している。世界人口の増加や途上国の経済成長により、世界中で魚の消費量が増加し、その需要に応えるため、魚を「獲りすぎ」てしまったためだ。
実際に日本では、天然物の漁獲量が40年前と比べておよそ3分の1まで減少しており、産業を一刻も早く持続可能にすることが求められている。
現在、海の豊かさを守るために様々な取り組みが行われているが、そのうちの一つが、主に植物性の原料から作られた「代替シーフード」だ。
まだ日本ではあまり目にしないが、これから「代替肉」のように市場に広がり、新たなトレンドになると期待されている。
この3Dプリント技術で製造されたヴィーガン・サーモンは現在、オーストリアのスーパーチェーン「BILLA」などで販売中。公式オンラインストアでは10月1日からヨーロッパ諸国に向けても販売予定だ。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
3Dプリンターで作られたヴィーガン・サーモンが欧州で発売 どうやってできてるの?【動画】