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ニュースプラットフォーム事業者から記事を配信しているメディアに支払われている対価は適正なのか。
公正取引委員会は9月21日、「ニュースコンテンツ配信分野に関する実態調査」の報告書を公表した。
ヤフーなどのプラットフォーム事業者が強い立場を利用し、ニュースメディア側に不当な取引をしていないか調べたものだ。
今回の調査では、新聞社やテレビ局などのメディアにプラットフォーム事業者から支払われている記事の平均対価(許諾料)が明らかになった。
また、プラットフォーム事業者に対し、「著しく低い対価を設定する場合、独占禁止法上の問題となり得る」と警告した。
公取委の調査は2022年11月から開始。
新聞社や通信社、テレビ局などを対象にしたアンケート調査(220社が回答)のほか、プラットフォーム事業者への聴取も行われた。
公取委は21年の「デジタル広告分野の取引実態に関する最終報告書」でも、プラットフォーム事業者にニュースメディアとの取引条件の明確化について指摘。
しかし、「実質的な改善が進んでいない」とし、再び調査に乗り出した。
今回の調査では、Yahoo!ニュースなどのニュースポータルを運営するプラットフォーム事業者からニュースメディアに支払われる記事の対価が明らかになった。
結果は、1000PVあたり平均124円だった(2021年度)。
PVはWebページの閲覧数を意味する。最も対価が高いプラットフォーム事業者で平均251円、最も低いのは49円だった。
なお、ニュースメディアが自社のウェブサイトで記事を掲載し、そこで得られた広告収入は1000PVあたり平均352円(2021年度)だった。
つまり、プラットフォーム事業者からニュースメディアに支払われる記事の対価は、3分の1程度になるということだ。
この対価は適正なのか。
プラットフォーム事業者は、Yahoo!ニュースなどのニュースポータルに記事を集めた上で、それらのPVに応じた広告収入を得ており、その収入を原資としてニュースメディアに対価を支払っている。
ニュースメディア事業者のうち約44%が契約締結の時点でこの対価に不満で、その割合は締結後の時点では約63%まで増加するという。
また、そのうち約70%は「算定基準の不明確さ」を不満の理由としており、約50%は「具体的な交渉材料がない」ことを挙げた。
公取委は、ニュースポータル事業者は記事の利用によって得られた広告収入など、対価の水準を決める根拠となるデータや、実際の対価の算定方法などを「可能な限り開示することが望ましい」と指摘。
取引上の地位が優越しているニュースポータル事業者が一方的に契約を変更するなどして、著しく低い対価を設定することで不当に不利益を与える場合は「独占禁止法上問題となる」と警告した。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
1000PVで何円?Yahoo!ニュースなどの記事利用料が判明。著しく低いと「独禁法で問題に」と公取委