オクラは10本程度で販売されていることが多いですが、使い残しが出やすい野菜でもあります。そこでオクラの保存について気を付けたい点を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
アフリカ原産で比較的新しい野菜
「アオイ科だけあって、ハイビスカスのようなきれいな花が咲き、花観賞用のものがあるほどです。
日本には明治頃に輸入されたそうですが、独特の青臭さやヌメリから敬遠されたため、ほとんど食べられていませんでした。その後、昭和40年代になってから、栄養価の高さで人気となり、今ではごく一般的な夏野菜になりました」(吉田さん)
乾燥、湿気、低温に弱い
「オクラは乾燥や湿気、低温に弱い野菜で、保存法が悪いと比較的早くから黒ずんだり、しなびてしまいます。ネットなどに入れて販売されていることが多いですが、購入した時のネットのままの状態で冷蔵保存をすると、冷気が直接当たり、乾燥もしやすくなってしまうので、NGです。
かといって、そのままポリ袋に入れれば、結露でオクラに水分がつき、傷みやすくなります。
乾燥にも湿気にも弱いということで、適度な湿気が保存する際の重要なポイントの一つになります」(吉田さん)
キッチンペーパーで包んで保存袋
「生のまま保存するなら、オクラをネットや袋から出し、余分な水分が付かないように、キッチンペーパーで包んでチャック付き保存袋に入れます。
また、アフリカ原産ということもあり、低温にも弱いので、冷蔵庫の野菜室で保存してください。これで3~4日はきれいな状態で保存できるでしょう」(吉田さん)
下処理してから冷凍がポイント
「オクラには細かいうぶ毛があり、取らないと食感があまり良くない場合があるので、うぶ毛を取る下処理をしてから冷凍するようにしましょう。
まず、まな板の上にオクラを置き、塩を振ってゴロゴロ転がす『板ずり』をします。それから水洗いして水気を切ってから保存袋に入れて冷凍するか、15秒ほどゆでてから冷凍します。
こうした下処理をしておけば、解凍しなくても簡単に切れて、すぐ使えるので便利です」(吉田さん)
オクラには、コレステロールの吸収抑制作用がある水溶性の食物繊維のペクチンが豊富です。他にも、体の免疫力を高めてくれる、カロテンやビタミンB1、B2、葉酸、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどの成分も多く含まれています。
長引く暑さを、栄養豊富なオクラをしっかり食べて乗り切りましょう。
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