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夏休みがそろそろ終わりを迎え、子どもたちの登校が始まりつつある8月21日。Twitterのある投稿が大きな反響を呼んでいます。
ツイートしたのは、児童精神科病棟に勤務する精神科認定看護師、子どもの精神科看護師@こど看さん。
「夏休みが終わり、すでに登校している子も少なくないでしょう。
そしてこの8月~9月の時期は、毎年子どもの自殺者(児童・生徒)が一年を通して最も多く、子どもの自殺予防に注目が集まる時期です。
しかし、私はこの『夏の終わりに子どもの自殺が注目される状況』に少しだけ違和感を覚えています。なぜなら、夏の終わりだけではなく、どんな時期であっても、子どもの自殺予防、子どものメンタルヘルスが注目されるべきだと思っているからです」
さまざまな理由から悩みや不安を抱え、生きるのがつらいと感じ、自ら命をたつ子どもが多いとされる夏休み明け。しかし、子どものメンタルヘルスの問題は時期にかかわらず、常に目を向けるべき問題だと呼びかけます。
そして、もし子どもに「いつもと違う」点が見られた時の対応方法を紹介しています。
「『いつもと違うな』と思った時には優しく声をかけてあげてください。そして、子どもからSOSを出された時には、どうか子どものSOSを受け止めてあげて下さい」
その際に参考になるのが「TALKの原則」だと言います。
Tell:言葉で心配していると伝える
「最近あんまり眠れてなさそうだけど、大丈夫?」「元気なさそうに感じたんだけど、ちょっと心配だよ」といったように、「私はあなたを心配している」という思いを言葉にして、ストレートに伝えましょう。
Ask:「死にたい」気持ちについて率直に尋ねる
「どんな時に死にたいって思うのかな?」「死にたい気持ちはどのくらい強いのかな?」のように、子どもの「死にたい」気持ちについて率直に尋ねましょう。
これは子どもの「死にたい」を受け止め、子どもの「死にたい」気持ちを知ろうとする誠実な対応です。決して子どもの死にたい気持ちを助長するような対応ではありません。
Listen:絶望的な気持ちを傾聴する
子どもの話を遮らずに最後まで聞きましょう。その子が絶望的な気持ちを感じている時に必要なのは、あなたの価値観に基づいたアドバイスや頭ごなしの説教ではなく、その子の「死にたい」をありのまま受け止める受容的な態度です。
Keep safe:安全を確保する
その子が置かれている環境や状況が危険なものであれば、すぐさまそこから子どもを引き離しましょう。
もし、あなた一人で子どもの安全を確保できない場合は、誰かに助けを求めましょう。子どもを助けるために、あなたが助けを求める必要があります。
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そして、もし子どもが死を思わせる言葉を口にしたら、「『死にたいなんて言わないで』と子どもの発言を否定したり、『美味しいものでも食べよう!』と話を逸らさず、『死にたい』と言えた子どもの勇気を讃え、受け止めてほしい」と伝えます。
文科省が作成した「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」リーフレットには、「TALKの原則」についてより詳しく解説されています。ぜひ参考にしてください。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
子どものSOSどうやって受け止める?精神科看護師が伝える「TALKの原則」