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FIFA女子ワールドカップでまた新たな歴史が生まれた。大会史上初めて、ノンバイナリー(性別を女性・男性どちらでもないと認識する人)の選手が出場を果たしたのだ。
カナダ代表のクィン選手は2020年9月にカミングアウトし、名前は一語だけの「クィン」として、また「they/them」の代名詞で呼ばれる事を望んでいる。
そして7月21日、オーストラリアとニュージーランドで行われている女子ワールドカップで、カナダの初戦であるナイジェリア戦に出場した。
クィン選手は90分間フル出場したが、試合は両者得点なく引き分けに終わった。
とはいえ、同大会に出場した初のトランスジェンダーでノンバイナリーを公表しているアスリートであるクィン選手の存在により、この試合は歴史的なものとなった。
トランスジェンダーがスポーツで競技することについての論争が続いている事を考えると、これは特に意味があることだ。
例えば、イギリスの自転車競技では、5月に限ってトランスジェンダーとノンバイナリーによるエリート女性競技への出場を禁止した。
ワールドカップに先立ち、クィン選手はカナダメディア「Streets of Toronto」に以下のように語っている。
「トランスジェンダーのアスリートとして、スポーツの世界に居場所を見出すのは難しい事でした。それはシスジェンダー(出生時に割り当てられた性別と自認する性が一致し、それに従って生きる人)の女の子にとっても同じです。北米には男性優位のスポーツ文化がありますが、彼女たちもスポーツに自分の居場所があると知るだけの価値があります」
「若いサッカー選手にとって、スポーツのロールモデルを持つことはとても大事なことです。女子代表チームを見て、幸運にもその何人かと交流できたことは、自分にも道があると理解する上でとても重要なことでした」
カナダのフリージャーナリストであるハー・ジョハル氏はクィン選手の女子ワールドカップへの参加について、「これは画期的で歴史的なことです。スポーツを見る人々に、ノンバイナリーでも素晴らしいスポーツに参加できると示すものです」とBBCスポーツに述べた。
「クィン選手は偉大なサッカー選手であり素晴らしい人間です。幸せで安心感がある。まさにプロのアスリートが最高のプレーをするために望むことです」
クイン選手はまた、2021年の東京オリンピックでカナダの金メダル獲得に貢献し、トランスジェンダー初の五輪メダリストとなった。
クィン選手はスポーツ界におけるトランスジェンダーの権利を積極的に支援しており、13歳から17歳の少女や多様な性を持つサッカー選手の個人指導も行なっている。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
サッカー女子ワールドカップ史上初 トランスジェンダー選手が出場