Appleが初のAppleシリコン搭載Macをリリースしてから3年弱が経過しました。現在は全てのMacがAppleシリコン搭載となっており、インテル製チップを搭載したMacは販売されていません。このインテルMacのサポートがいつまで続くのかについて、テックメディア「Ars Technica」が分析しています。
*Category:テクノロジー Technology *Source:Ars Technica ,Apple
「Ars Technica」は20年以上にわたるMacのモデルの発売日、製造中止日、そして各モデルが受けたmacOSアップデートについての情報をまとめました。その結果として判明した傾向は以下の通り。
- 追跡したすべてのMacモデルについて、平均的なMacは新機能を追加するmacOSアップデートを約6.6年間、さらにセキュリティのみのアップデートを約2年間受けている。2017年のMacのmacOSアップデートは約6.3年で、過去の平均を少し下回る。
- 平均的なMacは、Appleが販売を終了してから約5.5年間アップデートを受ける。ライフサイクルの終わりにMacを購入するということは、アップデートの回数が大幅に減ることを意味する。
- 最も長生きしたMacは、2007年中頃の15インチと17インチのMacBook Pro、2010年中頃のMac Pro、2007年中頃のiMacの3機種で、発売から約9年間、新しいmacOSのアップデートが提供された(セキュリティ・アップデートも約11年間提供された)。
- 最も短命なMacは、やはり2008年後半に発売された白いMacBookで、発売からわずか2.7年しか新しいmacOSのアップデートを受けず、さらに3.3年しかセキュリティ・アップデートを受けなかった。(PowerPC時代後期とIntel時代初期のMacは、現代の基準からするとどれもかなりひどいものだ)。
— 出典:Ars Technica
Appleのサポート期間は、インテル製チップそのもののサポート期間とも関係があるようです。インテルは一般的に、最初のリリースから6〜7年後にほとんどのプロセッサのアップデートとサポートを停止しています。Appleからすれば、インテルからのサポートはMacプラットフォームの安全性に関わる重要なものです。
「Ars Technica」はこれらのデータから、インテルMacのサポートがいつ停止されるかについて、3つのシナリオを予測しています。
過去4回のmacOSのリリースでは、互換性カットが1年ほど前倒しされています。macOS 13のアップデートでは2017年以前のMacがほとんどカットされ、macOS 14のアップデートでは2018年以前のMacがカットされ、macOS 15では2019年以前のMacがカットされる可能性があります。
「Ars Technica」はまた、最後のインテルMacは2020年初頭から半ばに登場したため、AppleがこれらのMacを切り離すと決めた場合、2019年モデルと一緒にされる可能性が若干高いと指摘しています。
最悪のシナリオとして考えられるのが、2024年に登場予定のmacOS 15で全てのインテルMacのサポートが打ち切られるというものです。AppleはPowerPC Macを長持ちさせず、インテルへの移行終了から約3年後にリリースされたmacOS 10.6 Snow LeopardでPowerPCのサポートを完全に打ち切りました。とはいえ、インテルMacユーザーの数は、当時のPowerPCとはケタ違いです。
また、2020年後半から現在までの間にインテルMacを購入したユーザーも少なからず存在するはずです。もちろん、インテルMacのサポート終了が迫っていることは承知の上だとは思いますが、それでも流石に早すぎるタイミングでしょう。
現時点で残っているインテル版Macの台数は非常に少なく、ハードウェアの速度、機能、基本的なアーキテクチャの点ではほとんど均質です。この時期のインテルのCPUは前年比でほとんど性能が向上しなかったため、Appleがこれらのインテル版Macをサポートするのは楽なはずです。
ただし、新しいmacOSのリリースが前バージョンと同じMacをサポートしたのは、2019年が最後でした。それ以来は毎年、いずれかのMacがサポート終了とされています。
古いMacが切り捨てられてしまうのは残念ですが、一方でAppleシリコン搭載Macを利用しているユーザーにはメリットもあります。古いMacをサポートするために必要なファイルが削除することで、OSが軽量化されるという点です。macOS Venturaでは、複数の古いインテル・アーキテクチャのサポートを削除したことで、サポートされているAppleシリコンおよびインテル版Macでは、macOS Montereyを実行している同じモデルと比較して、3GBから4.5GBのディスク容量が節約されました。
結局のところ、インテルMacが実際にいつまでサポートされるのかはAppleの今後の計画次第です。とはいえ、少なくとも来年にはサポートが打ち切られる可能性が高いため、早めに乗り換えを検討しておくことが賢明でしょう。
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