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イーロン・マスクがTwitterで「シスジェンダーは誹謗中傷」と宣言。この言葉の考案者が反論「脅威を感じる人もいる」

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テクノロジーのカンファレンス「Viva Technology 2023」に出席したイーロン・マスク氏(2023年6月16日)テクノロジーのカンファレンス「Viva Technology 2023」に出席したイーロン・マスク氏(2023年6月16日)

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Twitterを2022年に買収したイーロン・マスク氏が、「シス」「シスジェンダー」という言葉を同プラットフォーム上で「誹謗中傷」とみなすと宣言した。 

きっかけとなったのは、「『シス』という言葉を拒否する、とツイートしたら、トランスジェンダーの活動家たちにあなたもシスだと言われた」という、ユーザーの投稿だ。

マスク氏は6月21日、この投稿に対し「どんなアカウントに対してであっても、嫌がらせが繰り返された場合、嫌がらせをしたアカウントは少なくとも一時的な停止処分を受ける」「このプラットフォームでは『シス』もしくは『シスジェンダー』は誹謗中傷だ」と投稿した。

「シスジェンダー」に脅威を感じる人がいる

強調するまでもなく「シス」や「シスジェンダー」という言葉に、侮辱的な意味はない。

これは学者らが正確な記述言語として使い始めたもので、トランスジェンダーではない(つまり、マジョリティ)の人々を表現する言葉だ。出生時に割り当てられた性別と、自認する性別が一致する人々を指す。

性自認や性表現についての認識が広がるにつれ、「シスジェンダー」という用語も 広く使われるようになってきた。

この用語の考案者とされる研究者のダナ・デュフォス氏は、ハフポストUS版の寄稿で、1994年に大学院の課題でトランスジェンダーの若者の健康問題について執筆していた時に、この言葉を思いついたと説明している。

この時、デュフォス氏は黎明期のインターネットで情報を収集していたが、トランスジェンダーではない人々のことを表現する言葉がなく、考えた末に生まれた言葉だった。

「化学では、同じ側に原子がある分子に、ラテン語の接頭辞『シス-』をつけ、反対側にある原子から成る分子は『トランス-』と呼びます。そこから、シスジェンダーと名付けました」

このエピソードは、この用語が2015年にオックスフォード英語辞典に追加された際にも紹介された。

(イメージ画像)(イメージ画像)

それから30年以上が経った今、デュフォス氏にとって、「シスジェンダー」という言葉を嫌がる人がいることは驚きではないという。

同氏は、これまでトランスフォビアな言動を繰り返してきたマスク氏が、今回のような宣言をするのは驚きではないとハフポストUS版の電話取材で語った。

「Twitterが、反ユダヤ主義的で人種差別的な場所へと後退していることを考えれば、今回のことはこのプラットフォームが進む方向に合致しているように思えます」

その上で、デュフォス氏は「誰かが自分をシスジェンダーと認識するかしないかに関係なく『シスジェンダーというアイデンティティーが有効な概念である』という事実は否定できません。それは存在するもので、私たちがこの世界で活動する時に意味を持ちます」とも指摘した。

「私の考えでは、世界中で日常的に使用され、オックスフォード英語辞典に載っている言葉を禁止することは、マスク氏が世界に広めたいと願っているどんなものよりずっと巨大で長続きする考えを検閲しようとする、臆病で無駄な試みです」

デュフォス氏は「他の人のアイデンティティを決めつけているのは間違ったこと」と強調する一方で、「シスジェンダー」という言葉が存在することに脅威を感じている人もいる、と示唆した。

ウィリアム・シャトナーは『私はシスジェンダーではない、ノーマルだ』と主張しましたが、これは破壊的で憎悪に満ちた感情を含んでいると思います」

「『私はシスジェンダーではないので、そう呼ばないでください』と言うことと、『シスジェンダーという概念は存在しない』という考えは異なります」

デュフォス氏は「Twitterで『シスジェンダー』という言葉を禁止したら、どうやって、性自認についての明確で理性的な議論をするというのでしょうか?」とも述べた。

シスジェンダーと小児性愛の誤った結び付け

マスク氏は今回のやり取りの中で、「シスジェンダーという言葉は、小児性愛への賞賛を非難されたドイツの性学者によって作られた」と主張するツイートにも同意し、マスク氏は「『シスジェンダー』という言葉を作った卑劣な男には、深刻な問題がある。こんな男は無視すべきだ」と投稿した。

これは、右翼の間で好まれる言説だが、マスク氏がデュフォス氏のジェンダーを意図的に間違って表現したのか、単に無知だったのかはわからない。

デュフォス氏は、マスク氏のこの発言にも驚かないとしたが、非常に不快に感じると述べた。

そして「シスジェンダー」という言葉への攻撃と、トランスジェンダーの人々への激しい攻撃を結び付けて、次のように説明した。

「ここには彼らの2つの目的が感じ取れます。1つはシスジェンダーと小児性愛と同一視すること。もう1つはジェンダーと生物学的な性別が同じものであるという考えを強化することです。この考えは、彼らが家父長的な概念を維持するために役立ちます」

「保守派は、世界は2つにわかれているという、二元論の考えを好みます。なぜなら、彼らの権力はそのような概念に根ざしているからです。」

「『他の人々』を差別化しない限り、一部の人々が他の人に対して権力を持てる、という幻想を維持することはできません」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
イーロン・マスクがTwitterで「シスジェンダーは誹謗中傷」と宣言。この言葉の考案者が反論「脅威を感じる人もいる」

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