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「理学部では女子学生の比率が著しく低く、ジェンダーバランスが実現できているとは言い難い状況」
「理学部が人材育成の場として『多様性のある環境を提供できていない』ことを意味する」
東京大学や京都大学、東京工業大学など国立大学10校の理学部長は連名でそんな認識を表明し、「理学部におけるジェンダーバランスの実現に向けた行動を起こすことがとても重要」として環境整備に取り組むと宣言した。
声明を出したのは、北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州大学の理学部長10人。
声明は、大学の学部全体では女性が45.6%と約半数を占めるのに対し、理学部では27.8%にとどまることを指摘。その上で、「ジェンダーバランスが実現できているとは言い難い」と強調した。
「男女問わず、男性女性どちらかが極端に多い学校に進学したくないと思っている中学生は全体の半数近くいる」とする内閣府の調査結果を踏まえ、「ジェンダーバランスは大学にとって改善すべき課題」との認識を示した。
「ジェンダーバランスの問題は多くの大学の理学部において共通している」として、国立大学10校の理学部で連携して環境整備に取り組むとの「決意」を表明した。
▽性別や国籍等の属性に関わらず、学びや研究を安心して進められる理学部をつくるために、環境を整備し、学生をサポートする▽理学部で学ぶことに対する不安を解消できるよう、理学部での大学生活や卒業後のキャリアパスの情報提供を充実させるーーといった対策を掲げた。
その一環として、理学部志望の生徒らに向けて大学生活や卒業後のキャリアなどについての情報を紹介するウェブサイト「理学ナビ」を開設。「皆さん(理学部志望の生徒ら)が可能性を狭めることなく、興味をもったことや好きなことにチャレンジし、思う存分楽しめるようサポートする」と呼びかけている。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉
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「理学部はジェンダーバランス実現できていない」「多くの大学で共通の問題」東京大学などの理学部長10人、改善の“決意”を表明