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大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の元所属タレントが、創業者のジャニー喜多川氏(2019年死去)からの性被害を告発していたことをめぐり、同社の藤島ジュリー景子社長は5月14日夜、「世の中を大きくお騒がせしておりますこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪する動画を発表した。同社のホームページ上に「各方面からの質問への回答」の文書とともに掲載した。
藤島社長は動画で「関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えましたこと、重ねてお詫び申し上げます」と述べた。
文書では、「喜多川氏の性加害を事務所や藤島社長は知らなかったのか」との質問に対し「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と述べた。
同社は1962年の創業時からジャニー喜多川氏と、その姉であるメリー喜多川氏(2021年死去)の2人体制で経営してきたと説明。その上で、藤島社長が事態を把握できなかったとする理由について、「本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました」と説明した。
2023年3月には、イギリス公共放送BBCが喜多川氏から性加害を受けたと主張する元ジャニーズJr.の男性ら複数の証言などを収録したドキュメンタリー番組を公開し、日本国内でも注目を集めた。
4月上旬には、元「ジャニーズJr.」で歌手のカウアン・オカモトさんが東京都の日本外国特派員協会で記者会見し、喜多川氏からの性被害を訴えていた。
こうした報道や告発が事実かどうかを問う質問に対しては、「当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます」として、事実認定を避けた。
その上で、「目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております」と述べた。
藤島社長はオカモトさんとの面会についても「私が直接お会いして、長い時間お互いにお話をしました」と認め、「今後このようなことが二度と起こってはならない。その為にも彼が声をあげられたということを深く理解しました」と述べた。
一方で、「ご本人以外の他人のプライバシーに関わる問題や、憶測を助長するようなご発言に関しては、私の見解をお伝えさせていただきました」とした上で、「まだまだこれからではありますが、私たちが変わるきっかけを下さったと受け止めております」と述べた。
今後の再発防止策については「今回の件を受け、二度と同じような事態を起こさないためにも、外部からの協力も得ながら『コンプライアンス委員会』を設置しており、これまで以上に取り組みを強化、徹底させてまいります」と表明。
加えて、「社内の価値観や常識だけで物事を判断していないか等、外部の厳しい目で指摘する役割として、社外取締役を迎え入れて経営体制を抜本的に見直すよう、現在人選、依頼を進めております」と述べた。
〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉
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ジャニー喜多川氏の性加害疑い、藤島ジュリー景子社長が動画で謝罪。「知らなかったでは済まされないが、知らなかった」