NY地下鉄で黒人乗客の首を締めて殺害した元海兵隊員、逮捕へ

映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を鑑賞するために劇場を訪れた時のジョーダン・ニーリー氏(2009年)

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アメリカ・ニューヨーク市の地下鉄で、叫び声を上げていた男性を制圧するため首を締めて殺害するに至ったとして、捜査当局が元海兵隊員に出頭を求め、殺人容疑で逮捕・起訴する方針を立てている事が分かった。

マンハッタン地区検察局が24歳のダニエル・ペニー容疑者に出頭を求め、逮捕する予定だと5月11日、複数のメディア伝えた

地下鉄で首を締められ亡くなる

事件が起きたのは5月1日。ペニー容疑者は、地下鉄の同じ電車に乗っていた30歳の黒人男性ジョーダン・ニーリー氏を殺害した容疑に問われている。

現場に居合わせたジャーナリストのフアン・アルベルト・バスケス記者が撮影した動画には、ペニー容疑者がニーリー氏を羽交い締めにして、首を絞める様子が映っていた

バスケス記者によれば、ペニー容疑者は車内で「叫び声」を上げたニーリー氏の体を押さえつけ、首を約15分間締め続けた。

バスケス記者はニーリー氏について「地下鉄の車両に乗り込み、大声で話し始めました。空腹で喉が渇いており、何も気にしないと言っていました。刑務所に入って終身刑になってもいい、どうでもいいし死んだっていいんだ、とまで話していました」とNBCに語った。

地下鉄で掲げられた「ジョーダン・ニーリーに正義を」と書かれたプラカード(2023年5月8日)

事件後、ニューヨーク検視局はニーリー氏の死因を「首を圧迫されたため」とし、殺人事件と断定した。

当局はペニー容疑者に事情聴取したものの、身柄を拘束せず釈放した。

ペニー容疑者の代理人弁護士は5日、「ペリー氏の行動は自身や他の乗客を守るための正当防衛」で「ニーリー氏に害を与えるつもりはなく、彼の死を予見できなかった」とする声明を発表した。

これに対し、ニーリー氏の家族は8日に「(声明は)有罪を認めるもの」であり「車内での行動および発言が、彼を収監すべきだと示している」と声明で反論。

ニーリー氏は亡くなった時にホームレスだったことから、この事件を巡り、メンタルヘルスやホームレスの問題、さらに人種差別ついての議論が再燃し、アメリカ社会の注目を集めていた。

メンタルヘルスの問題に苦しんでいた

ニーリー氏は、マイケル・ジャクソンのものまねで知られていた。

同氏が亡くなった後、ニューヨークの地下鉄では殺害やペリー容疑者の釈放に抗議するデモが開かれ、10人以上が逮捕された。

ジョーダン・ニーリー氏の追悼に集まった人々(2023年5月8日)

ニーリー氏は14歳の時に母親が元パートナーに殺害されており、事件後ニーリー氏は深刻なうつ病に苦しんできたという。

家族は「ダニエル・ペニーは、ジョーダンの経歴について何も知らないまま、故意にジョーダンの首に腕を回し、首を絞め続けた」と声明で訴えている。

「(声明で)ダニエル・ペニーは周りの人は、ジョーダンのような人々に対して『無関心』だったと主張していますが、その言葉は彼自身を表現するのに相応しい。彼こそ、無関心のままに行動したことは明らかです」

 ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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Taiyler S Mitchell