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プロ野球中日ドラゴンズの選手たちから、通算100セーブを達成したライデル・マルティネス投手に送られた祝福ケーキに、「亡命」を茶化す文言が書かれていた。
中日新聞などによると、ケーキは5月7日の試合前の練習中に贈られ、マルティネス投手の似顔絵に「祝100セーブ」と添えて祝福。続けて「亡命、ダメ、ゼッタイ」と書かれている。
マルティネス投手はキューバ出身。
BBCによると、キューバでは、長らく国交が断絶していたアメリカのメジャーリーグでプレーするため、亡命する選手が相次いできたという歴史的な背景がある。
ドラゴンズの広報担当者は5月9日、ハフポスト日本版の取材に対して、マルティネス投手に贈られたケーキに亡命に言及する文言が書かれていたことを認めた。
広報担当者によると、ケーキは選手たちが用意した。広報担当者は、このような文言になった詳しい経緯は確認していないというが、「これからもずっと一緒にプレーしてほしいという意味で、洒落っぽくなったと理解している」と説明。
選手たちに亡命を茶化すような意図はなかったとして、次のようにコメントした。
「いろんな立場の人たちがいるなかで、ユーモアとしてやっているつもりでも、違う意味で取られないように気をつけないといけない」
文言そのものが適切か否かの認識を問うと「文言自体はどうなのかと思うところもある」と話す一方で、「あくまでも非公式(内々)のお祝いで洒落としてやったこと。(本人と選手たち)お互いが洒落として受け取って、チーム内でも変な空気にもなっていない」という見解を示した。
中日ドラゴンズでは、今シーズン開幕直前にキューバ国籍のジャリエル・ロドリゲス投手が失踪。日刊スポーツによると、本人がInstagramで「MLBでプレーしたいというキューバからではかなえられない夢を追うことに決めた」といった投稿していた。
広報担当者は、今回のメッセージについて「ロドリゲス投手に対して悪意を持ってやったことではない。みんな彼の活躍を願っている」と説明した。
日本のプロ野球界では過去に他にも、キューバ出身選手の失踪や亡命があった。フルカウントによると、ソフトバンクに在籍していたオスカー・コラス選手が2020年に失踪。メジャー移籍を目指して亡命し、2022年1月にホワイトソックスとマイナー契約した。
社会主義国のキューバは、野球選手も国家公務員で給与水準も低い。
ニューヨークタイムズによると、アメリカによる長期間の制裁のために、選手がより多くの報酬や活躍の場を求めてメジャーリーグ行きを望んでも、チームと契約することができなかった。
フリーエージェントとしてチームと契約するために、亡命してハイチやドミニカ共和国といった第3国で移り住んできた経緯がある。
2018年には、キューバ出身選手が亡命せずにチームと契約できるようになったが、それ以降も失踪や亡命と思われる選手が出ている。
今回の祝福ケーキに書かれた「ダメ、ゼッタイ」というワードは、厚労省が「薬物乱用防止キャンペーン」で掲げている標語「ダメ。ゼッタイ。」を使用したと見られる。
薬物依存症の回復支援に当たる専門家からは、この標語自体が、薬物を一度使用すると人生のやり直しが効かないかのようなイメージを植え付け、当事者に対する偏見を助長してきたという指摘があがっている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
中日キューバ人投手への祝福ケーキに「亡命」を茶化す文言。通算100セーブで同僚が贈る。広報「悪意はなかった」
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