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「スタートアップへの転職=リスクの高い挑戦」という認識は、もう時代遅れかもしれません。
一般社団法人スタートアップエコシステム協会と一般社団法人インパクトスタートアップ協会は4月20日、「スタートアップ転職に関する意識調査」の結果を発表しました。
この調査は1月に開催された「Startup Career Fair 2023」の参加者を対象に実施され、132人が回答。スタートアップへの転職を希望する人が仕事選びで重視するポイント、第1位は「自己実現」に関する項目(91%)でした。
続く第2位は「社会へ貢献できる」「社会課題の解決につながる」など「社会性(78%)」がランクイン。「福利厚生が充実している」「安定して長く働ける」など「働く環境(48%)」に関する項目を大きく上回る結果となりました。
インパクトスタートアップ協会はこの結果について「かつてスタートアップへの転職は、リスクの高い挑戦と捉えられていました。ですが、本調査からは リスキリングや自己成長のチャンスとポジティブに捉えていることや、昇給やキャリアアップと同様に、 社会課題の解決や社会へのインパクトを重視している点など、いくつかのポイントが見えてきました」とコメントしています。
スタートアップ転職への意識の変化の背景には、政府がスタートアップを後押しする動きも関係していそうです。
調査では、岸田内閣が「新しい資本主義」実現に向けた今後の日本の成長戦略の1つとして、2022年11月に「スタートアップ育成5ヵ年計画」発表したことや、東京都が「未来の東京」戦略のなかでスタートアップとの共創を打ち出したことなどからスタートアップに注目が集まり、「スタートアップを取り巻く環境や求職者の意識に変化が起きている」と分析しています。
また、リクルートワークス研究所の主任研究員・古屋星斗さんは調査結果を受け、「仕事に対して『自己の成長機会』を求める声が圧倒的に多かったのは、決して“意識高い系”の方が多かったというわけではないのでしょう」と指摘しました。
「新しい『安定志向』の時代に入ったと言われます。古い安定志向では拠って立つものは安定した雇用を提供する大きな会社でした。しかし、いかに大きな会社でも自分の職業人生全てを預けることが難しくなった現在、新しい安定志向で拠って立つことができるのは、自己のスキルや経験です」
「自らにスキルや経験を身に着けて、激動の経済社会を楽しく豊かに乗り越えていく。そんなキャリアを思い描く、新しい安定志向を背景にした新しい潮流が生まれてきたのです」
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