1月6日(金)から、二十四節気の「小寒(しょうかん)」になります。
小寒と大寒をあわせた期間は、「寒」「寒中」「寒の内」などと呼ばれ、小寒の初日は「寒の入り(かんのいり)」ともいいます。
小寒は、寒さがいっそう厳しくなるころというだけではありません。さて、どんな時季でしょうか。
「三冬」と「み冬」は、どちらも「みふゆ」と読みます。
三冬は、旧暦の10月・11月・12月の3か月のことです。現在の太陽暦でいえば、だいたい11月・12月・1月にあたります。
また、「三冬月(みふゆづき)」という形で、旧暦12月の異称にもなっています。旧暦12月といえば、小寒・大寒の時期とも重なります。
一方の「み冬」は冬の美称で、「み」は接頭語です。
昔の人たちは、冬を万物が活動を停止する時季と考え、畏怖しました。そのため、霊力のあるものを恐れ敬う意味の接頭語「み」を付けて、「み冬」と表現することがあったのです。それが、美称としても用いられるようになりました。
ほかの季節には、こうした美称を用いた表現がないことを考えると、“冬の特別感”がうかがえます。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロは「春の七草」といわれます。
ゴギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、ホトケノザはタビラコ、スズナはカブ、スズシロはダイコンのことです。
この七草を入れた粥が七草粥で、1月7日に食べると、邪気を祓(はら)い、無病息災が得られると伝わります。
古くは、萌え出たばかりの七草の芽を食べることで、新しい生命力を身につけようと願ったものだそうです。
現代では、年末年始はごちそうを食べる機会が多いため、胃腸は疲れ気味。七草粥は、その疲れたおなかに優しい食べ物です。
一方、ハギなど、秋に咲く代表的な草花は「秋の七草」といわれ、こちらはもっぱら観賞用です。
1月11日は、「鏡開き」です。年神様にお供えした鏡餅(かがみもち)を下げ、雑煮や汁粉などに入れて食べます。神聖な鏡餅は、刃物を使わず、木槌(きづち)などでたたき割るのがならわしでした。
古代の日本人は、言葉には魂が宿り、その霊力で、言葉に表したことが現実のものになると信じていたそうです。そして、縁起の悪い言葉を避け、それを別の言葉に置き換えるという習慣を受け継いできました。
「鏡割り」などとはいわず、「鏡開き」というのも、その名残です。
寒に入ってから、9日目を「寒九」といいます。寒九は通常、1月13日か14日ごろ。今年もそうです。
「寒九の水」は寒九に汲む水のことで、薬を飲むのによいとされています。さらには、餅(もち)をつくにも、お酒を造るにも、とりわけ向いていると考えられてきました。
寒九に降る雨は「寒九の雨」と呼ばれ、豊年の兆しであるといわれます。
小寒は、お正月気分が抜け、仕事などの活動が本格的に始まる時期でもあります。背筋を伸ばし、新たな一歩を踏み出したいですね。
【関連記事】
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
1月6日は「寒の入り」。七草粥の伝統や鏡開きに込められた意味とは?