「日本人が国際化する、異文化の人と一緒に生活する、仕事をする機会があまりにも少なすぎた」。
ユニクロなどを運営するファーストリテイリングの柳井正会長は、同社の新たな難民支援について「これは我々の問題でもある」と、その意図を語った。
同社と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、バングラデシュ・コックスバザールにある難民キャンプで、ロヒンギャ難民の女性を対象にした自立支援プロジェクトを開始したことを11月9日、発表した。
このプロジェクトは、難民の女性に縫製トレーニングを実施して、生理用の布ナプキンなどを生産。キャンプ内で配布することで生活物資の支援となり、加えて生産に加わった女性たちも、有償のボランティアとして報酬を受け取ることができるという仕組みだ。2025年までの予定で、ファストリ社は初年度に80万米ドル(約1億1500万円)を拠出。1000人の女性たちの参加を予定している。
ファストリ社は2001年から難民支援活動を始め、2006年からはUNHCRと連携し、社員の派遣も行っている。今回の支援も、2012〜13年にコックスバザール事務所に派遣した従業員が、女性の衛生面に課題があることを知り、NGOと共に行った活動がベースとなっているという。
「一般的な日本人の人にとって難民の問題は非常に遠い」。
記者発表で、柳井会長はこう切り出した。
「ウクライナ紛争の以前から8000万人の難民が世界各地にいた。世界中の国々がそれを助けようとしている」
「だからこれは我々の問題でもある。日本では、違う国の文化を受け入れてインテグレートしていくことをほとんどの人が知りません。日本人が国際化する、異文化と一緒に生活する、仕事をする機会はあまりにも少なすぎた。僕は73歳、(2050年には)日本の人口の半分近く(約40%)が65歳以上になります。毎年80万人しか生まれない国(がこのまま)で本当にいいのか?同調圧力が強い国になっている」
「困っている人を助けることが、将来を助けてもらうことになるんです。服屋として何ができるか。世界がより平和になるように、みなさんのご協力をよろしくお願いいたします」
同社は、難民を雇用する取り組みも進めている。世界を知り、国際社会に貢献することは、停滞する日本の未来のためにも必要なことだと柳井会長は訴えた。
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「日本人が国際化する機会、少なすぎた」ファストリ柳井会長、難民支援でUNHCRとの取り組み発表