吉田麻也選手「もうグッドルーザーはいいよ」。日本代表キャプテンとしてドイツ戦にかける思い【ワールドカップ2022】

吉田麻也選手

【関連記事】日本代表サポーターの“ゴミ拾い”を「模範的な行動」と海外メディアが称賛。そもそもいつから注目されたか(カタール・ワールドカップ)

いよいよ、サッカー日本代表のカタール・ワールドカップが始まる。

初戦の相手は、過去に優勝4回を誇る欧州屈指の強豪・ドイツだ。11月23日午後10時キックオフ予定。グループリーグ初戦でこれ以上ないほどの強敵と戦う。

今大会はDF・吉田麻也選手が日本代表のキャプテンとしてチームを牽引する。吉田選手は「もうグッドルーザーはいい」と言い切った。その言葉には並々ならぬ決意が表れている。

吉田麻也選手と森保一日本代表監督

キャプテンの吉田選手にとって、W杯への出場はこのカタール大会で3大会連続3回目。2014年のブラジル大会から出場し、今では日本の守備の要としてセンターバックのポジションで重要な役割を担う。1メートル89センチの長身はセットプレーでも活かされる。

初戦のドイツ戦でいえば、同じくセンターバックの冨安健洋選手の怪我の影響が心配されていて、強豪の相手攻撃陣に対し、いかに集中力を高めて守備ができるかが勝利への鍵とも言える。

吉田選手はこれまで、イングランドのプレミアリーグやイタリアのセリエAなどヨーロッパリーグでプレーし経験を積み上げてきた。現在はドイツリーグのシャルケに所属している。ドイツでプレーした経験をフィールドで活かすことも求められている。

吉田麻也の「言葉」の力。かつては仲間を救ったことも

吉田選手はプレーのみならず、時に言葉でも注目を集める。記憶に残っているのは、前回ロシア大会のグループリーグ・日本対ポーランド戦後の以下の発言だ。

「ミスした者をこれでもかと叩きのめす悪しき風潮が蔓延しているこの国で、子どもらに本当に見てほしいのはチームスポーツで仲間が苦しんでいる時いかに助け合えるか、そして1人の選手が批判や重圧から逃げずに立ち向かう姿勢。そこに何故、日本人で唯一欧州でGKとしてプレー出来ているかが隠されている」

吉田選手は自身のTwitterで、仲間のGK川島永嗣選手について、このようにツイート。川島選手は当時、日本で唯一、ヨーロッパのリーグでプレーするGKだったが、グループリーグのセネガル戦でパンチングをミスして失点を招いた。

SNSでは当時、川島選手を誹謗中傷するつぶやきが溢れていた。仲間を思いやり、思いを言葉にしていた吉田選手。大会後、現在フランクフルトに所属する長谷部誠選手からキャプテンを引き継いだ。

吉田麻也選手と長谷部誠選手(2018年ロシア大会)

「もうグッドルーザーはいいよ」の真意

言葉を大事にしてきた吉田選手。今大会に向けてはある強い想いがある。過去に放送されたNHKのドキュメンタリー番組では「グッドルーザーよりウィナーになりたいです。勝って日本の新しい歴史をつくりたい」などと発言している。

「グッドルーザー」という言葉は、日本代表やそのファンの行動に対して度々向けられてきたものだ。例えば、前回ロシア大会のベルギー戦後の日本のロッカールームが綺麗に清掃されていたことでも「グッドルーザーだ」と称えられていた。

吉田選手はそれを踏まえ、このように話している。

「日本だとよく“グッドルーザー”みたいな感じで、すごい美化されるじゃないですか。まさに4年前の僕たちがそう。日本に帰ってきて、みんなに褒められて、自分の感覚と周りの人たちは全く違う感覚なんだなとわかって、それじゃダメだなと。『もうグッドルーザーはいいよ』って正直思っているんです。日本はグッドルーザーで、ロッカーも掃除して、すばらしい国だったなとか、そこが評価されるとか、正直そんなのはもういいんですよ。グッドルーザーよりウィナーになりたいです。うん、勝ちたい。勝って日本の新しい歴史をつくりたい、新しい景色を見たいな。それがいちばん強いですね」

(NHK『スポーツ×ヒューマン 苦しいときこそ真価を見せろ〜日本代表キャプテン吉田麻也』より)

“試合後のロッカールーム”よりも、試合で、そして結果で新たな歴史を作りたい。吉田選手の決意が表れている言葉だった。

目指すのは、決勝トーナメント進出の先の「ベスト8」。日本代表初の快挙をカタール大会で実現できるか。この先対戦するのは、ドイツ、コスタリカ、スペイン──。一筋縄にはいかず、タフな試合になるはずだ。

だが、それを乗り越え勝利を掴んだ先に、新たな景色があるに違いない。

吉田麻也選手

…クリックして全文を読む

オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
吉田麻也選手「もうグッドルーザーはいいよ」。日本代表キャプテンとしてドイツ戦にかける思い【ワールドカップ2022】