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今や、多くの企業がLGBTQ+コミュニティの支援を公言している。
毎年6月には「プライド月間」として多くのイベントが行われるが、2022年もその時期には多くの企業がレインボーフラッグを掲げ、大規模パレードでの主要ポジション取りを争い、期間限定品を販売した。
こうした取り組みは、プライド月間に限らず年間を通してLGBTQ+コミュニティを支援していることの表れだ、と企業たちは述べている。
しかし今、そうしたブランドの一部が、開催国カタールが巨額を手にすることになる2022年FIFAワールドカップのスポンサーとなっている。
カタールでは同性愛や同性間の性行為が法律で禁じられており、違反すれば最長7年の禁錮刑になる可能性がある。
また、一般の法律に加えて、イスラム教のシャリーア(コーランに基づく法制度) も男性同士の性行為を禁止しており、死刑になる可能性もある。
2013年、カタール政府はワールドカップにおいて、全ての人を歓迎すると主張した。しかし、「我々の文化や伝統の一部ではない」として、公共の場での愛情表現は行わないよう推奨していた。
それにも関わらず、LGBTQ+コミュニティを支援することを約束しているコカ・コーラやマクドナルド、アディダスなどが、スポンサーとして名を連ねている。
そこで、ハフポストUK版はこれらのブランドに対し、2つのシンプルな質問を投げかけた。
1. なぜカタール・ワールドカップのスポンサーになったのか?
2. カタール・ワールドカップのスポンサーになることが、LGBTQ+支援の約束を台無しにしている、という批判にどう答えるか?
以下が、各社の返答だ。
・コカ・コーラ:
「人々の変化に影響を与える可能性があると信じている」
コカ・コーラ社は、イギリスで夏に行われたロンドンとブライトンのプライド2022パレードの公式スポンサーを務めたばかり。その際、同ブランドは「LGBTQ+コミュニティの従業員を認識し、評価し、サポートするのは重要な優先事項」と述べている。
ではなぜ、カタールでのワールドカップをスポンサーするのか?
コカ・コーラの広報担当者は、スポーツには「世界を一つにし、善の力となるユニークな可能性」があると信じていると語った。
「私たちは長年サッカーを支援してきており、FIFAワールドカップのようなイベントとのパートナーシップを通じて、人々の変化に影響を与え、団結させる可能性があると信じています」
2問目に関しては、「私たちはビジネスにおいて、多様性、包括性、平等性を追及し、社会全体においてもこれらの権利を支持しています。私たちの経験から、変化には時間がかかり、達成には持続的な協力と積極的な参加が不可欠です」
「私たちは長い間、LGBTQI+コミュニティを支援してきました。今後も、私たちのポリシーと実践を通して、私たちの価値を尊重し、提唱する活動を続けていきます」と述べた。
・アディダス:
「スポーツはすべての人のためにあると信じている」
アディダスは2022年、プライドをテーマにした様々な商品を発売した。同社は1970年以降、FIFAワールドカップの全試合で公式戦ボールを提供しており、カタール大会も同様だ。
質問に対して同社は、「私たちは、スポーツはすべての人のためにあると信じています。国籍、宗教、性的指向、民族的背景に関わらず、全ての来場者が自由に観戦できるよう強く提唱してきました。このワールドカップでも、それが実現されることを期待しています。もし違反があれば、その問題を追及します」と述べた。
・バドワイザー:
質問には答えず
2022年W杯は、バドワイザーにとって険しいスタートとなった。カタールではアルコールは違法ではないが、許可なく公共の場で飲酒すると禁固刑になる可能性がある。
いくつかの会場は飲酒許可を取得できるが、開催国カタールは開幕の48時間前に突然の方針転換を行い、ワールドカップの8つのスタジアム周辺でのアルコール販売を禁止した。
世界最大のビール会社に属すバドワイザーは、これまでもロンドンのプライドパレードをスポンサーしており、長年に渡りプライド限定商品を販売してきた。
バドワイザーの親会社であるアンバイザー・ブッシュ・インベブ社に問い合わせたところ、広報担当者はLGBTQ+の誓約に関する質問には答えなかったが、アルコール禁止令について言及した。
「30年以上にわたるFIFAのパートナーとして、消費者の皆さんとサッカーを祝うため、世界でキャンペーンをスタートするのを楽しみにしています」と述べ、「スタジアムでの一部の予定は、私たちにはどうにもできない事情により実施できません」と加えた。
・ヒョンデ(Hyundai):
「最高の倫理基準を維持することを約束する」
6月に公開された広告で同社は、「プライド月間だけでなく、1年の365日、LGBTQ+コミュニティの旅を支援する」と述べた。
しかし同社は、1999年から行なっているFIFAワールドカップのスポンサーとしての伝統を守ることにしたようだ。
我々の質問に対して広報担当者は、「ヒョンデ自動車は、あらゆる国の人々を結びつけるスポーツの力を信じており、最高の倫理基準を維持することを約束します」「FIFAが人権を十分に尊重するために開催国との取り組みを続けることを期待し、その努力を監視していきたい」と述べた。
・Visa:
「ノーコメント」
2019年、ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団はVisaを「LGBTQ平等において最も働きやすい職場」の一つに選んでおり、カタールでのVisaの契約に多くの人が驚いている。
同社はプライド・パレードの常連でもあり、企業サイトには「誰もがどこででも受け入れられる場所」を作りたいと書かれている。
大会の公式スポンサーであるVisaは、カタールのLGBTQ+の権利に関する問題についてあまり言及していない。同社のFIFAワールドカップの広告で、Visaは「世界中のファンのためにある」と述べているが、同意しないファンもいるだろう。
Visaは私たちの質問を受理したが、コメントは辞退した。
・マクドナルド:
返答なし
マクドナルドも、プライドパレードのスポンサーや期間限定商品の販売を行ってきた大企業の一つだ。
同ブランドの企業サイトには、LGBTQ+の包括性に特化したページが設けられており、そこには、すべての人は、暖かく、正直に、そしてオープンに歓迎され受け入れられる権利がある、と書かれている。
複数回に渡り、ワールドカップとの関わりについて質問したが、マクドナルドからの返答はなかった。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
なぜカタール・ワールドカップのスポンサーに? LGBTQ+支援を謳う6社に聞いた返答がこれだ