戦闘員の逝去に際し、ワグネルは遺族に独自の「逝去告知書」を送付。その通し番号が10月13日付で「458」となっていた。その後の3週間にも数十人の受刑者が戦死した情報がソーシャルメディアに投稿され、累計で500人を超えた可能性が高いという。
ワグネルを通じ戦闘に参加する受刑者の総数は、メディアなどによって幅があるが、少なくとも数千人と推計されている。逝去率は正規のロシア軍より高く、より危険な任務に投入されていることをうかがわせている。
AFP通信による東部ドンバス地方の取材では、受刑者は最前線で決死の前進を命じられ、発砲するウクライナ軍の位置をあぶり出すのに使われているという。
一方、9月に始まった予備役30万人の部分動員令に関し、プーチン大統領は4日、既に5万人弱が前線の部隊にいると説明した。独立系メディア「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」が1日に報じた予備役の死者は100人以上で、受刑者の募集は動員令より先に始まっているとはいえ「500人以上」が多いことが分かる。
プーチン氏は4日、重大犯罪の受刑者の動員を可能にする法案に署名し、法律が成立した。ただ、インサイダーが伝えた戦死者には殺人や麻薬密売の罪で服役していた者も含まれ、ワグネルの募集を合法化したにすぎない。
ワグネルは、大統領府とケータリング契約を結んで「プーチン氏のシェフ」と呼ばれた実業家エブゲニー・プリゴジン氏が創設。かつては存在すら秘密だったが、ウクライナ侵攻下で公然と活動するようになり、4日には第2の都市サンクトペテルブルクに新たな拠点「ワグネル・センター」を開設した。
時事通信 2022年11月06日07時06分
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