経産省が高波長分解能の衛星データを一般公開、個人でも利用可に
経済産業省は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携により、宇宙実証用ハイパースペクトルセンサー「HISUI(Hyperspectral Imager SUIte:ひすい)」で取得した衛星データの一般公開を10月12日に開始した。
衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」で無料で利用できる。通常のマルチスペクトルセンサーが観測する波長帯は多くて十数バンドだが、HISUIは高い波長分解能(185バンド)を有し、より精密に地表の物質を特定できる。
例えば、石油・鉱物資源分野では、宇宙空間から識別できる鉱物の種類が従来の10種類から30種類に増えるなど、重要な多数の鉱物分布を把握できる。ほかにも、環境分野で重要となる森林や草本の詳細な分類や、農業分野で重要となる農作物や土壌の状態の把握など、幅広い分野での活用が期待される。
HISUIは、日本のエネルギー・資源の安定供給のため、宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)が経済産業省から委託を受けて開発。石油などの資源を遠隔探査することを主な目的として、2019年12月に国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」に搭載し、2020年9月に観測を開始した。
Tellusで公開するHISUIデータは順次拡充し、2022年度中に運用開始から最新のものまで約19万シーンを公開する予定。HISUIのデータは、これまで宇宙システム開発利用推進機構が共同研究者へ限定的に提供していた。
個人含めた一般に向けて閲覧可能な環境で提供するのはTellusが初めてとなる。
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